距離感を見誤る'14 公演情報 (石榴の花が咲いてる。)「距離感を見誤る'14」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    アモルフ
     総てを信用することができず、かと言って、自分の確固たる位置も確立出来ないでいる現代の若者が抱える深い悩みを、エネルギーの解放という形で放出した作品。まだまだ、アモルフなのだが、一所懸命である。(追記後送)
    観る人を選ぶ作品かもしれない。従って演劇的評価だけで★の数を決めておく。(追記2014.10.15)

    ネタバレBOX

     
     始まりに何が在るかを求めてゆくと、答えが見失われてしまう。だが、問わざるを得ない“謎”という所から始めれば、追い詰められ、矮小化された上で、爆縮することもできずに、只管アナーキーを目指して爆発を求めるのみの彼らの姿が見えてくるような気がする。
     即ち、彼らの体験している状況を、その苦しみと足掻きを描いた作品と解釈した。総てを信ずることができず、未だ社会・経済的自立も果たせぬ者が、何を以て、自己肯定できるかの試みであると見たわけである。

     一方、総てを信じることが出来ないということは、信じることが出来ない自分をも信じることが出来ないのであるから、Cogito ergo sum.とはならないのが当然であり、その意味で、彼らは21世紀日本の住民なのである。結果、精神と肉体とのコラボレーションとしての身体は、ハイデッガー流のSeinの在り様、即ちDaseinの問題をすり抜けることは不可能なのである。だが、彼らは、己の力で実存に目覚めては居ないようである。だからこそ、Seinの生きた集合体の基点である、他の生きた集合体とも共存・共栄する様々な関係を構築しようと蠢いているのである。個性を持つ為に! 即ち真に孤独な主体として、世界に向き合う為に。
     分かったような事を言うな! にゃんちって!!

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    2014/10/07 11:06

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