UNKNOWN HOSPITAL 公演情報 壱劇屋「UNKNOWN HOSPITAL」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    内容とパフォーマンスの奇妙でグーな融合
     壱劇屋という劇団、普段は関西(大阪と京都の中間辺りの枚方)で活動している若手劇団ということであるが、今回、23回目の本公演ということは、かなりの間、演劇の世界に足を突っ込んでいるということだろう。

    ネタバレBOX

     奇妙な病院の奇妙な手術や治療と俺らが為されている訳を紐解いてゆく推理的な側面が在る一方、ロボトミー手術と絡んだパフォーマンスが、ロボトミー手術が齎す結果を描いているようで不気味である。実際、ある時期まで、精神科治療の一環としてロボトミー手術は行われてきたが、その結果の悲惨故に、現在は禁じられているのである。この手術の問題性を描いたのが、映画「カッコーの巣の上で」だ。自分は若い頃、この映画を観ていたし好きな映画でもあったので、今作でロボトミー(作品中では、ロボットとミー、の駄洒落にもなっており、これが、作品の種明かしの一部にもなっているのだが。)手術が繰り返されることに矢張り、異様な恐怖を感じたのも事実である。
     さて、更に詳しいネタバレに進もうか。或る病院に黄色いバスが向かっており、このバスには、精神病患者と世界的な外科医であり、最近では催眠療法なども手掛けている竹村院長、女医の西分医師らが乗っていたが、病院に突っ込んでバスは大破、乗員の殆どが重傷を負った。然し、そこは、流石に外科の世界的権威、自らの傷ついた体のパーツを、精神病患者の体から調達し、自らオペをして傷を癒した後、病院内に閉じ籠り、未だ、命のある者にはロボトミー手術をして、本人の主体的意志を奪い、自らのロボット兼、催眠療法による治験の参加者として利用することを思いついた。患者達には、罠を掛けて、時には、医師に、ある時には患者に仕立て上げながら、互いにオペをさせては、自らのロボットとして操れるように仕組んだのだった。だが、時々、バグが起こる。そして、バグった時には、ロボトミー手術の成果が現れずに患者は、正常な人間のように振る舞うので、血だらけの人物を登場させて、それが、見えたり対話ができるのは、患者だけだという嘘を、周りの者皆で言って、再度、オペを受けさせる。こんなことを繰り返すうちに、さしもの患者達も、自分達は医師なのか患者なのかと自問を始めるのだが。オペを受けさせられた人間の中に、予め脳内に再生プログラムを仕込んだ西分だけは、正常な状態に復帰することができ、まじないにあった人間からロボットへ、ロボットから人間へを他の患者達にも広めてゆくことができ、院長の企みも暴くに至ったのだ。

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    2014/09/02 01:13

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