ひなたのなかのこども 公演情報 風雷紡「ひなたのなかのこども」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    アプローチの見事
     言う迄もないが、この作品は下山事件を背景としている。1949年7月5日、国鉄総裁が轢死体となって発見された事件である。未だ占領下、ドサクサの日本でGHQの関与も噂される難事件だから、どうやって手をつけたらいいか、多くの者が、途方に暮れる。その難事件を、風雷紡は、“どう亡くなったか?”ではなく“何故、亡くなったか?”と問うことで、独自解釈の糸口を紡ぎ出している。つまり、総裁の人柄に焦点を絞った。そして彼の性格描写に決定的な役割を果たしているのが、宮沢 賢治の「銀河鉄道の夜」今作のタイトルの取られた詩「金策」である。
     設定の上手さ、シナリオ、演出の無駄の無さ、効果的な舞台美術や役者紹介フィルムまで含めて、時代を感じさせる手の込んだ作り、音響、照明の効果的な用い方、変にベタベタさせない冷静さと想像力を刺激し、人間の何たるかを考えさせる深い技法。見事である。(追記後送)

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    2014/08/16 11:15

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