満足度★★★
世間ってなにかな
戯曲に関してまったく予習なしで観ました。
オープニングから影絵の演出が素敵。白いスクリーン?壁?に映し出される光と影。「sunday」「友達」の影文字も。
様々な大きさの枠がある舞台。点在するそれぞれが部屋のように。夜になればカーテンをかけ、灯りの向こうに各々の影。
カンカン、と枠になにかを当てて叩く効果音以外は、チェロの演奏と歌声のみが音響のすべて。不安を駆り立てるようなチェロの音色に、これ人の声?と思うものもあり、とてもよかった。
突如押し入り居座る「家族」。ここは彼の部屋であり、出て行けというのに、彼らは理不尽な権利をのたまい、いっこうに聞かない。押し入られた彼の方がどんどん染められ、飲み込まれていく。
「ひとりはさみしいでしょう?」それさえ押しつけでしかないのに。彼らは「親切」で部屋に居着く。
立場が強いはずの彼のほうが弱り磨り減っていく。お金の管理のくだりが一番恐ろしかったな。こうやってなにもかも呑まれていくのかと。
弱る彼の口からは、命令がお願いに変わる。「お願いだから出て行ってください。」完全に立場が入れ替わった。
大小交わる枠が中心に集まって彼を閉じ込める。逃げる気力さえ奪っていく。籠の中の、鳥。
鳥籠と指輪の、影絵が素晴らしかったです。
sundayさんの世界を堪能できました。観られてよかったです。
チケットプレゼントありがとうございました。