UNIQUE NESS(ユニークネス) 公演情報 劇団青年座「UNIQUE NESS(ユニークネス)」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    オーソン・ウエルズVS
     科学的と称される解釈では、ネッシーは存在しないとする解釈が有力だが、居てくれた方が面白いに決まっている。そんな人々の念こそ、ネッシー伝説の正体だと思われる。

    ネタバレBOX

     但し、こんなにあっさり解釈するお茶漬け人種と異なり、舞台は、英国。肉食人種の国である。そして、グロテスクな或いはナンセンスなユーモアを活かして来た国の話という設定だ。諧謔あり、アイロニーあり、ブラックジョークのオンパレードありで只管、素直さから逸脱する趣向である。だから、笑いは擽りで、演者達は、巧みな間の外し方で、どんどん得点を挙げて行く。複合的なブラックジョークのシーンで、切られたナースコールのコードには、万国旗がぶら下がっているのなど、イギリスの第一次大戦以降の見事な迄の凋落をおちょくっていると解釈すると頗る愉快である。世界で2番目い面白いジョークというのも、万人受けする傑作ジョーク。これも観劇してぜひお確かめ願いたい。
     素直に表現しない文化というものが、どれほど歪み、どれほど人と自らを傷つけるか、そして、その結果として自らはドライになり自らを洒落のめすしかないか、を描いて見せた、大人のコメディーであるが、同時に、総てを個人的レベルに落とし込むことによって、社会の中の個人、翻って個人の社会内アイデンティティーを問う構造になっていない点で、村社会的である。

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    2014/08/09 01:46

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