UNIQUE NESS(ユニークネス) 公演情報 UNIQUE NESS(ユニークネス)」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.4
1-8件 / 8件中
  • 満足度★★★★

    虚勢もまた素晴らしい
    舞台中央にベッド、そしてランダムに吊るされたような額縁や鏡枠、その傍らに椅子が置かれ、常時役者が座っている。このGADGET(ガジェット)?が面白い。”枠”のみは、まさしく虚そのもの。
    さて、主人公(ハロルド)に関わった者が時と状況に応じてベッド周辺で絡むという演出だ。それまでは舞台上にいるが、あくまで傍観者を装っていたようだ。なにしろハロルドが台詞を噛んだ時にはニヤニヤしていたのだから。
    さて芝居は、死期が近づいているにも関わらず…

    ネタバレBOX

    梗概は、 未確認動物“ネッシー” 1934年ネッシーの姿を捉えた写真、通称「外科医の写真」が新聞に掲載され、外科医は一躍有名人になった。 この写真の関係者のハロルドの死期が近づき、入院し次々と人々が見舞いに訪れる。 そうハロルドに人生を狂わされた人々だ。 妹で看護師のハンナは複雑な思いで見舞客を迎える。 そして彼の人生が終わりを迎えようとしたその時、真実の姿が現れていく、というもの。

    普通の人が目立ちたい、人生に何らかの足跡を、と考えたことによる悲喜劇。誰もが思うような絵空事であるが、その内容(ことの重大性)の影響が大きければ...そのアイロニーがよく表現されていた。その観せ方が、色々な角度から見ることができるよう枠・鏡が配置されている。内心のありようが具象化されるという感じである。

    自分の人生が身内・友人を巻き込み...その予想外だったかもしれない反響は、満足だったのか、それとも後悔だったのか。その生き様が役者の演技によって十分体現されている。ここが青年座の演技・表現力の素晴らしいところ。
    この脚本・演出・演技と、その技術効果の完成度の高さが、この公演を面白くしている。

    次回公演を楽しみにしております。
  • 満足度★★★★★

    とってもユニーク
    いつも手を変え品を変えいろんなコメディを見せてくれる早川さんの作品。今回もひねくれていて、でもたくさん笑えました。面白いホンと確かな演出、俳優さんたちもさすが、という感じでした。

    ネタバレBOX

    ハンター役?の方だけはごめんなさい。台詞も聞き取りづらく、テンポも自分には合いませんでした。なんだか雰囲気だけで演技している感じが…。みなさん良かっただけにとても残念。最後にひとつだけ。万国旗のシーンは好きです。笑えるのに哀しくて、このお芝居の象徴的なシーンでした。もっともっと東京でも活躍して欲しいと思う作家さんのひとりです。
  • 満足度★★★★

    オーソン・ウエルズVS
     科学的と称される解釈では、ネッシーは存在しないとする解釈が有力だが、居てくれた方が面白いに決まっている。そんな人々の念こそ、ネッシー伝説の正体だと思われる。

    ネタバレBOX

     但し、こんなにあっさり解釈するお茶漬け人種と異なり、舞台は、英国。肉食人種の国である。そして、グロテスクな或いはナンセンスなユーモアを活かして来た国の話という設定だ。諧謔あり、アイロニーあり、ブラックジョークのオンパレードありで只管、素直さから逸脱する趣向である。だから、笑いは擽りで、演者達は、巧みな間の外し方で、どんどん得点を挙げて行く。複合的なブラックジョークのシーンで、切られたナースコールのコードには、万国旗がぶら下がっているのなど、イギリスの第一次大戦以降の見事な迄の凋落をおちょくっていると解釈すると頗る愉快である。世界で2番目い面白いジョークというのも、万人受けする傑作ジョーク。これも観劇してぜひお確かめ願いたい。
     素直に表現しない文化というものが、どれほど歪み、どれほど人と自らを傷つけるか、そして、その結果として自らはドライになり自らを洒落のめすしかないか、を描いて見せた、大人のコメディーであるが、同時に、総てを個人的レベルに落とし込むことによって、社会の中の個人、翻って個人の社会内アイデンティティーを問う構造になっていない点で、村社会的である。
  • 満足度★★★★

    英国コメディ風のブラックな会話劇。でも結構ドタバタ要素も。。。/約110分
    あの有名なネッシー写真に関わったことにより自身も数奇な運命をたどり、家族や親族、友達にまで因果な人生を歩ませたある男の物語。

    …なんて書くと同情すべき不憫な男に思えるが、今は入院中のこの男ハロルド・グレイはひっきりなしに病室を訪ねてくる近しい人々に憎まれ口を叩いてばかりの偏屈者。
    速射砲のように罵言を繰り出すこのハロルドとその周囲の人々がテンポよく互いをなじり合って紡ぎ上げていく物語はロンドンを舞台としているだけあって辛辣な英国コメディさながらで、アメリカンコメディよりブリティッシュコメディのほうがずっと好きな私にはとても楽しめた。

    口は悪いがどこか憎めない、まるでルパン三世みたいなハロルドのキャラクターにも好感。

    そのルパンよろしき軽やかさを持つ大家仁志さんにこの役は当たり役に思えました。

    そして、大家さん演じるグレイのセリフの練られていること!
    セリフの一つ一つが『世界のブラックジョーク集』みたいな本から引用されているかの如き完成度で、とても面白かったです。

    ネタバレBOX

    本作はラストも秀逸。

    死期の近いある夜、担当看護師で異母妹でもあるハンナを相手にネッシーの話をするハロルド。

    ネッシーの写真が作り物であることはあっさり認めがらも、「でも見たのは本当なんだ! それで世間に知って欲しくてあんな写真を撮ったんだ!」と、それまでの悪辣さはどこへやら、子供のような無邪気さでネッシーの目撃談を語るハロルドの無垢な姿にホロリとさせられました。。。
  • 満足度★★★★

    どこにでもいる
    不実な男を巡る話でした。

    ネタバレBOX

    ネッシーの写真に関係したハロルド・グレイと、彼の病室に集う人たちとの関係性を描いた話。

    外科医がネッシーの写真を発表したおかげで信憑性があったとのことですが、その外科医は既に死亡していてハロルドの動向に注目が集まっていた時期だと思います。

    捏造については妹に対して仄めかした程度でしたが、マイク・ウェザレルなる招かれざる客が病室を訪れ、首謀者としてあのときのことを吐露していました。本当はそこであっと驚くべきなのでしょうが、今現在の私たちは、関係者の誰かが公表して写真が捏造だったことを既に知っているわけで、特段驚きませんでした。

    写真の嘘にはさほど引き込まれませんでしたが、子供を堕ろしたと言っていた元妻が実は娘と一緒に住んでいることが分かったときは本当にホッとした次第でした。

    結局、ネッシー云々に関係なく、死期が近づいたどこにでもいる不実な男を巡る財産狙いと恨みつらみの話でした。
  • 満足度★★★★

    癖のある登場人物が楽しめた♪
    イギリス人を演じてますという感じが、これまた楽しめた約1時間50分。

    舞台美術の見た目と使い方が結構ユニークでスタイリッシュな感じを受けました

    ネタバレBOX

    舞台中央にベットが置いてあり、左右に額縁が段々に吊るしてあり椅子が後ろにあって物語に関与する人物が座っていて中央に出て話を紡ぎます。

    ハウスキーパーさんのキャラクターが良く出来てて気に入りました

    人間関係は楽しめたが、主人公の遺産についてもっと明確な情報を提示して欲しかったかな。
  • 満足度★★★★★

    生きた証!
    日本人脚本家が作ったイギリス的なお話。
    主人公ハロルドの機転の利いた受け答え、他の登場人物の嘘、などの絡みが見どころ。

    ネタバレBOX

    主人公ハロルドは、素直になれないひねくれ者。
    ネッシーの写真を発表して有名になった医師のロバートを妬み、その関係者と言われることが面白くない。自己顕示欲が強く、自分の存在を認めさせる為に周りの人間を不幸にし、喜びを感じる。
    そんな彼も最期は少年時代の素直な心に戻り死んでゆく。
  • 満足度★★★★★

    演技、ストーリー、演出、舞台美術、どれも素晴らしかった。
    役者陣は皆、(良い意味での)力と緩急のある演技でとても良かった。

    舞台美術は素晴らしい。

    ストーリーは、単に分かりやすく、happyというわけでも、unhappyというわけでもないが、この作品を観ることが出来て良かったと素直に思えました。

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