あけみママを待ちながら  公演情報 劇団ぺブル(ペブル・グラベル)「あけみママを待ちながら 」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    劇団の過去作品がポスターにアレンジされていたり、遊び心満載
     この劇団、1年1作である。というのも座長が岡山在住なので、劇団員の殆どが東京乃至近辺在住の合同練習が中々思うようにできないからである。それもあってか、シナリオレベルで、観客に想像の余地を与える“加減・ほど”が実に絶妙である。(開演中なので更なるネタバレは後ほど)

    ネタバレBOX

     今作でも、その辺りの呼吸は見事で、作品内容にもピッタリだ。今でこそ、水商売という業界に暗いイメージは無くなってきたものの、かつて、この業界に入る人々には、訳ありの人が多く、過去を消し去りたい人々が持つ独特の距離感を湛えていたものであった。その分、他人にも余計なことを言わない、詮索しないというような空気があったものである。この辺りの呼吸が作品の要になっているのだ。昨日が初日だったので、ネタは終演後に明かすとして、店に捨てられた6~7歳の女の子を何も言わずに育て、独立心の強い、察しの良いこの子がママに遠慮をして中学卒業時に「出てゆく」というのを「高校ぐらい出ておきなさい」とそっとフォローしてやるような優しさを持つママは、店の切り盛りでは、賑やかこの上もない。
     そんなわけでそれなりに繁盛しているこの店は、ホステスが足りない。偶々、父が亡くなって熊本から上京し、キャバクラの面接を受けた夕子は、キャバ嬢には向かない、とのキャバクラ店長判断で、スナック「あけみ」を紹介され、ここで働くようになった。兎に角、自分が「変わりたい」というのが、彼女がこの業界に入ったきっかけである。多少、引っ込み思案ではあるものの、誠実でどこか素人っぽい彼女の雰囲気は、馴染みの客からも自然に受け入れられ、もう7年が経っていた。そんなある日、店は急に静かになった。あけみママが置き手紙を残して失踪したのだ。周りの人々に訊いても消息は知れず終いだ。夕子が入店した時点で、孤児だった優子はここを出ていたので2人に面識は無く、彼女は漫画家になっていて、ずっと戻って来ない。チーママだったみどりも別の店に移っているので、現在、「あけみ」は夕子とバーテンの2人が回しているのだが。
     

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    2014/08/01 16:27

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