満足度★★★★
神の左手、悪魔の右手
やはりこのタイトルは楳図かずおさんの恐怖漫画を思い出す・・・と作演出の小栗さんに言ったところ、「タイトルが大好きで、でも読んだことはない」とのことでした。通りで繋がらなかったわけです笑
それはさておき。過去に観たキコの「LIVE FOREVER」「赤猫の舌」同様、絶望のまっただ中から溢れ出る希望と生命力・・・そのキレキレの感性は、会話劇という形をとっても如実に現れていて、ああ、あの頃・・・震災後の絶望の頃に私の腕をしっかりと掴んで引き上げてくれたキコ健在だ、と涙が出るほど嬉しかったです。欲を言うと、「神の左手」を持つ恐ろしい力の持ち主・浦井に神掛かった空気感が欲しかったかな、と。演出的にはどんなに修羅場が繰り広げられても机の上に在る水の入ったコップ等が生きていたのですが、なんとかこう、不思議な力を持っている存在感が欲しかったかな?吉田さん演じたアラナが命を賭して、最後のセックスをしたいと思える相手にはちょっと思えなかったのが心残り。