E=mc2=…? 公演情報 集団as if~「E=mc2=…?」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    ヒロインが熱演
     数式が出てくるが物理学でも数学でも音楽でも無い。絵描きの話である。開演の大分前からアンケートにくっついている“タイトルカード”というものに、(好きな単語)、(架空の物語のタイトル)、(好きなセリフ)、(大喜利のお題)と四つの項目があって観客が好きなフレーズを書き込むことができる。これを劇中のアドリブ要素として使う趣向である。一応、演目がコメディーということになっているので、まあ、御愛嬌ではあるのだろう。

    ネタバレBOX

     テーマは頗る真面目である。創作された作品の評価と自らの芸術観の相克がテーマだからである。この日本に今生きて、表現に携わっている者なら、一度は真剣に向き合ったであろう問題である。日本がサル真似をし続ける国、アメリカでも事情は大して変わらないのは、ブロードウエイやハリウッドで出来る作品を見てみれば分かるだろう。金は掛かっているし、無論、それなりに上手い。然し、総て何処かで既に見て来た、陳腐でありきたりの内容であり、狂気や真の迫力は全くない。おまけに、作者のその表現でしか描けないようなギリギリのヴィジョンに欠けるのである。この点は例外が無い。歴史に残るような作品を作っていた時代が、ハリウッドにもブロードウェイにもあったのは事実だが、現在もそうだとは思えないのである。興行収入の良い作品とはマスコミが、囃し立てた作品であり、良いか悪いかとは別物である。こんな当たり前のことが、無論、ディレッタントや興味を持っている人間以外には分からない。そこに、つけ込んだのは無論資本であり、資本がメディアを支配する現在では、キチンと情報を取る術を知らなければ誤魔化されるのだ。今作では、絵描き自身が。この罠に嵌ってしまった。身も心も捧げてくれた恋人・妻を巻き込んで。中盤から終盤にかけては、芥川の「地獄篇」を思わせるような展開だが、前半、おふざけが過ぎて、白けるのと、コンセプトに新鮮味がないこととで、矢張り減点である。ヒロイン役の女優は熱演だったが、これでは彼女が可哀そうだ。他の注意点で最も大事な事は、会場アンケートに書いたのでここには書かない。

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    2014/07/07 01:15

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