満足度★★★★
論理なんか覚えるんじゃなかった!
シリアスというよりシニカルな作品だ。分かり切ったことを傷口に塩を摺り込むように執拗に攻め立てる。戯曲としては良く出来ていると思うが、人が何故そのようであるのか、についての掘り下げは殆ど無い。その点を作り込んで、尚且つドラマチックな筋を展開できれば、頗るつきの作品を書けるだろう。その為には、不合理と知りつつ人生を背負う必要がある。評論家然として、距離を保つのではなく。生きることに前のめりになった上で、もう一度、このテーマで書いて欲しい。
理想を言えば、標題通り、馬鹿でいられれば少しは幸福だったのだろうが、論理を覚えてしまった以上、その上で、解決を目指す他は無いのだから。