【無事終演しました】荒川、神キラーチューン【ご来場ありがとうございました!】 公演情報 ロ字ック「【無事終演しました】荒川、神キラーチューン【ご来場ありがとうございました!】」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    大好きなロックの曲を聴くように
    最初から最後まで夢中になって観てしまいました。ブランキーやユニコーンの音楽、役者さん達の繊細な演技が光る数々の二人芝居、女性達のリアルすぎる感情の流れに酔いそうになると絶妙なタイミングで挿入される演劇的表現・・・それらが壮大にリズミカルに、かつキレ味の鋭さを以って観る側の心臓の深みで切り込んで来る。ああ、この感覚が「ロ字ック」だった、と。『タイトル、拒絶』を観たときに感じた震えを再度味わえたお芝居でした。

    ネタバレBOX

    観ている間はただただ夢中でしたが、時折掠める胸の痛みや忘れかけていた過去の記憶が、終演後に脚本・演出の山田佳奈さんとお話させていただいたときに急激に溢れ出るのを感じました。私にも、中学生だった頃にまだまだ子供だったせいで心残りを感じている友がいました。あのときもう少し大人だったら、という思いを久しぶりに思い出して心が痛かったです。

    振り返ると、舞台芸術として・エンタメとして・人間ドラマとして実に多くのファクターが詰め込まれているにも関わらず、煩雑さや難解さが全くなく。例えば、カラオケルームでのシーンのときは、音楽はなく会話劇が進む中、画面に流れているアイドルの対談や歌手のPVに見入っていても(環奈ちゃん可愛いーって感心してても笑)芝居が壊れることなく、むしろそれが上手い具合に芝居に飲み込まれる要素の一つになっている。素晴らしい演出だなと思いました。

    役者さんで目を引いたのは、まず、円山チカさん。小野寺ずるちゃん演じる子供の頃を引きずっている「わたし」の痛みの繊細な表現から目が離せず、その思いを放出させるラストには涙。

    ずるちゃんと対話する堂本佳世さんも、お腹の子供の親である男性を語るシーンで発する台詞だけでは語られない思いが表情や声から読み取れて、それが女性としてとても共感できるもので、ああ素敵な女優さんだな・・・と心臓を震わされました。

    元々大好きな大森茉利子さんは、初めて見た悪女役。直視するのが憚れるほど生々しくて「嫌な女だなぁ」と思う反面、激しく正直に生きる彼女にどこか憧れまで感じてしまい、ますます女優として好きになってしまいました。

    レベッカちゃん、今まで何度か拝見しましたが今回が突出して好きでした。役は当て書きだとお聞きしましたが、彼女の内面の魅力を引き出す素晴らしい役だったと思います。さすが山田さん。と、ここでも女性演劇人の力にうらなされます。(前回見たロボット役は男性のイメージを投影したものでしたから笑)

    そして小野寺ずるちゃん・日高ボブ美さんの双璧ロ字ック女優さん。二人とも、観始めたらその存在感に釘付けになってしまいます。ずるちゃんのキレキレのダンス、いつもの事ながら見入ってしまいました。ボブ美さんが中学のときの体育の先生に激似で、それもまたちょっと痛い子供だった自分を思いださせてくれました。

    その他、どの女優さんが演じたどの役も、自分と似たところを少しずつ見出して。胸の痛みもどれも懐かしく感じ、女に産まれてよかったなぁと今回も思わされた演劇でした。

    ※同じくロ字ックを観た男性とメッセでやり取りをしたのですが、「女性は『フィクションとはいえ誇張されてるな』と感じるの?」と聞かれて「フィクションとは全く思わなかった。むしろリアル。リアルの上を言ってる」と答えました。それに対して「男でよかったw」と言われましたが、私は「女でよかった」って心から思います。

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    2014/05/18 21:02

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