殺風景 公演情報 Bunkamura「殺風景」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    事実は小説よりも奇なり
    まさに、ここで行われたことは江戸時代に起こったような出来事、人形浄瑠璃、歌舞伎の世界でした。

    ネタバレBOX

    大牟田4人殺害事件をモチーフに、ヤクザの家族が68百万円借りていた高利貸し一家他を殺害した話。

    ベンベンベンベン、音楽的にも三味線の太い音色が効果的でした。父親はヤクザの沽券に関わるとか、一般市民がヤミ金被害に遭わないようにするためとか御託を並べていましたが、カネ目当てでこんなに簡単に何人もの人を殺して平気でいられる家族なんて今時考えられませんが、ここでは当たり前のように繰り広げられていました。まさに、人形浄瑠璃、歌舞伎の世界でした。

    平成16年と昭和38年・43年が描かれていました。次男が昔の父親役をやるなど役柄を変えて、衣裳を変えての演技は、早変わりとまでは行かなかったかもしれませんが、やはり歌舞伎の世界のようでした。

    長男が父親違いというのも、昔の売春スナックの客を見ていると自然に分かって来るのが面白いところです。そして、実際には手を下さない長男のずる賢い性格や、父親は血を引いた次男に跡を継がせようと修羅場をくぐらせる様子などが感じ取られました。

    客席を暗くせずに、舞台前方全面から客席天井に向けて青いライトをやや斜めに一斉に照らしての暗転は、舞台奥が全く見えず、しかも場面が大きく変わっていて素敵でした。

    殺風景とは何もない大牟田の風景とのことでしたが、鳥取連続不審死事件、大牟田4人殺害事件と、連チャンで殺の風景を堪能しました。

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    2014/05/18 08:37

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