南京・Nanjen 公演情報 メメントC「南京・Nanjen」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    たった一つの言葉
    全ての始まりでした。

    ネタバレBOX

    「捕虜は捕らない」、全てはこの指令から始まっていました。

    それまで泥水をすすり、泥水で炊いた飯を食っての行軍を経てようやく辿り着いた日本軍が、国民政府の首都南京を攻略したら幹部たちは逃げていて、残された大量の国民軍兵士を前にして捕虜にしないとなるとどうすればいいんだということになります。無茶な指令でした。

    中国人経済学者が四ヶ月もの間死体の処理をしていたという言葉も衝撃的でした。南京陥落直後の混乱時ならまだしも、狂気がそんなに長く続くものかと本当に驚きました。ただ、四ヶ月は分かりましたが、一日何人と計算して四ヶ月だから云々という計算が成り立つわけでもなく、あるいは成り立つのかも知れませんが、本当の被害者数については把握できませんでした。

    心は仏に、身は天皇陛下に捧げる、胡散臭い従軍僧を通じて当時の折り合いの付け方が垣間見られたようでした。

    もっとも彼の場合は軍内部の不穏分子を探るスパイも兼ねていたようですが、そして南京陥落一番乗りの端っこにもいて事態の全てを知っているはずで、結局大虐殺はあったのか無かったのかと観ている側も少しイライラしてきたところでの「捕虜は捕らない」発言があり、中国人学者からの四ヶ月発言が続き、とうとうリベラルな日本軍宣撫工作員も隠蔽に走ることを決意するという、ラストの怒涛の流れには息を呑みました。

    登場人物それぞれに背負っているものがあり、その辺りの描き方が本当に素晴らしかったです。

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    2014/03/22 12:26

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