ゴーストライターズ!! 公演情報 企画演劇集団ボクラ団義「ゴーストライターズ!!」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    よくできたパズル
     小説家でもある有力政治家、大泉 大吾朗が、出先で急死。死因は心筋梗塞とされた。(追記2014.3.5)

    ネタバレBOX

     然し、彼は、千葉県沖に計画のある大型プロジェクト案件の推進派中枢と見られ、反対の住民運動も起こっていることから、党重鎮、田上議員事務所から彼の死についての緘口令が布かれた。議員会館内の事務所には、大泉の長男も勤めているが、仕事はまるでできない。その代わり肉親の愛情については、人並み以上に純情である。
     然し乍ら、大泉のスタッフは、若い者が多く秘書としての経験も長くは無い為、田上議員が寄こした政策担当秘書らの手練手管に押し切られ、亡くなった大泉が存命であるかのように見せ掛ける為のスケジュール管理、メディア対策等重要案件は、総て田上らに盗られてしまった。残った仕事は、入稿予定だった雑誌掲載用の小説を書くことでだけである。然し、小説は、素人が簡単に書けるものではない。大泉の死を知らずに打ち合わせにやって来た編集者を巻き込んで小説を書こうということにはなったのだが、誰も、大泉程の才能は無く、実際に作品を書くなど覚束ない。
     そんな時、公設第一秘書の高柳が、一人のおじさんを連れて来る。彼は、タイムマシンを発明していた。だが、このマシン、時代設定も場所も指定できない。おじさんによれば、最も大切なのは、強く思うことだ。マシンは、搭乗者の深層心理に反応して、その場所、時代へ連れて行く。また、何度タイムトラベルをしても始めに行った場所と時刻にしか行くことが出来ない。
     厄介なことが起こった。スクープにジャーナリスト生命を賭けているTVディレクターに尻尾を掴まれたのである。スクープをこれまでにも何度もものにして来た彼は、当然、国会内にも議員秘書などの知り合いがおり、そういう連中から、大泉の事務所には、最近人の出入りが多いのに、本人だけはついぞ見掛けない、という情報が齎されたのだ。彼の勘は、何かある、怪しいと告げた。そう思えば行動は早い。彼はスタッフを引き連れ、突撃取材を敢行。対応した田上事務所に対して、マスコミが感ずいて、情報を嗅ぎまわっていることを認知せしめた。秘書に体よくあしらわれて、一旦は帰ることにしたが、嗅ぎまわるだけでも一種の圧力にはなることを充分計算している。
     一方、小説執筆チームでは、各々が、タイムマシンに乗って其々の時代・場所に行き、少しずつ歴史に手を加えることで、その後の歴史を微妙に書き変えていた。タイムマシンの発明者であるこのおじさん、実は、スクープを追い掛けることにジャーナリスト生命を賭けていたあのTVディレクターの67歳の姿だった。彼は、この一家とは、因縁があり、アイドルだった、舞が歌を歌うことを止めたのも、このおじさんのスクープの所為だったのだ。だが、彼は、3歳で舞の歌が好きだった娘の死を境にタイムマシン開発に関わり、いつか自分が傷つけた舞に会って、娘の為に歌を歌って貰おうと考えていたのである。
     各スタッフがタイムマシンで出掛けた先は、始めてんでバラバラで何の脈絡も無いように見えたのだが、田上の事務所を取り仕切っている連中の好みに合わせて、彼らの意識を書きかえることにチャレンジ。これが、功を奏して田上陣営の目論見と犯罪が明らかになった。同時に舞が歌えなくなったことで、父の執筆放棄い影響を与えたと悩んでいた父、娘の関係は、今作が舞を主人公にこの事件を扱った作品であったことから、また、出だしの3枚だけは、本人の原稿が残っていたことから、また、舞が完成させると父との約束が成立したことから完成することになった。同時に、大泉議員の死の真相も明らかになる。

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    2014/03/05 02:33

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