発掘!四姉妹の「恥ずかしながら帰って参りました」
「ENBUゼミの演劇コースを担当されていたのが福原さんです。
2012年、福原演出の卒業公演を『笹塚ファクトリー』で拝見したのですが、たしか四つか五つの短篇集。
今回も、場面、場面をカメラレンズに収める“福原らしさ”が感じられました。」
(東日本大震災を契機とした舞台だが?_)「3.11は戦後、この国が築き上げてきた『価値観』をゼロ・フィールドにする威力。
二万近くの人名が失われ、南相馬市~釜石市にかけ街が消滅したのですから。
本来は、瓦礫と化す国土に、市民、文化人、企業人、政治家が書くグラウンド・デザインは百通りです。
それは、例えば関東大震災でいえば、『軍政大国』だったのでしょう。
当初、脱原発から『自然共生型社会』を目指すグラウンド・デザインも提示されていましたが、現在は どうやら『右傾化』に傾いているようですね。」
「『大きなものを破壊命令』は、一つひとつが名シーン。
ただ、観客が余韻に浸たろうとすると、出演者がボタンを『カチッ』と押し、照明や音響が移行するのです。
そして、『真剣演技』なのにもかかわらず…観客は笑ってしまう…。
夏祭の風情、女四姉妹の戦中劇は“ホンモノでした”。
それなのになぜか…。
うーん、『即興的テンポ』だからかな。」