狐雨の花嫁 公演情報 株式会社Legs&Loins「狐雨の花嫁」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    権力というもの
     劇団ベースボールが、初めて殺陣に挑んだ。やるからには、しっかりとした形をとるものである。キャスティングが一部Wになっているが、キャスティングも良いようだ。(自分はAを拝見)また、全編、権力というものの本質をキチンと押さえたシナリオにブレが無い点も評価できる。(追記2014.2.19)

    ネタバレBOX

      神は、その昔、狼、狐、狸を作り、この世に誕生させた。其々の種は、共存共栄をしていたが、狐の少女が、摘んではならない、とされていた白い花を摘み、恋する男に与えた。以来、戦乱が絶えず、既に狼は狸の軍門に下って狐との戦いに照準を絞った。狸軍の大将の名はムジナ、先代の大将であった彼らの父は、弟のホンドと真剣で戦わせ、勝者に次代の将を任せると戦わせた。どちらが死んでも構わぬ、と。勝負は弟が勝っていた。然し、兄の首筋に剣を当てた所で弟は攻撃を控えた。勝負あったからである。然し、ムジナは、その弟を刺し実力では上回った弟の優しさに乗じて大将になった。
     その後、狸、狼連合軍に襲われた狐の城は落ちる。ムジナは、全員征伐を命じたが、ホンドが、自らの命を賭けて助命嘆願、今後、狐を支配するにも温情を見せた方が得策との意見も認められる。が、負けは負け、狐はその高い誇りにも関わらず、屈辱と忍従の生活を余儀なくされ、狐の美しい女達は、狸の下に嫁がされた。中でも格段に美しい姫、コウは、﨟たければムジナの側室にと運命づけられてしまった。
     10年の時が流れ、コウはムジナの予想した通りの美しい娘に育った。ホンドも美しく優しい若者に成長、二人の間には、互いに惹きつけ合う感情が芽生えているが、状況は、この二人が結ばれることを許さない。そんな折も折、ムジナから、嫁ぐように、との命が届いた。一方、面白くないのは狐上層部である。若い娘は強制的に狸に嫁がされて種の断絶を図られ、狐族の誇りの象徴である、首長の娘迄、敵に盗られるとあって、心穏やかなハズは無い。然し、今や、敵は狼を傘下に置き、戦力の差は余りにも明らか。それでも、10年に亘って差別され、収奪され、辱めを受けた無念には、最早、耐えられないという思いが強い。そこで衆議が開かれた。結論は、鬼と呼ばれて、今は人里離れた地域に住む狐、狸、狼を味方につけ、奇襲を掛けることに。然し、現在、狐の将を勤めるスイレンの側近、キタキの裏切りで、待ち伏せに会い、迎え撃ちにされてしまった。元々、狸や狼側に立ち、庇いだてをしてくれているホンドと彼のガードをしている忍び、コクウも反乱軍についたものの、奇襲を知られては劣勢の跳ね返しようは無い。戦は始まり、又しても狸側が勝利した。穏便な解決法と種の共存を訴えたホンドは敢え無く惨殺されてしまった。この後、この闘争を収束するに当たって、ムジナはコウを除く総ての反乱軍の首を落とせ、と命じるが、姫の頼み等によって考え直し、姫が選んだ一人の首を撥ねるという命令に変更。姫は、自らの死を望むが認められず、母親と慕ってきたスイレンの首を選ぶ。それも、自ら死刑執行の役を担うと言うのだ。彼女は、スイレンに最後の望みを訊ね、これ迄自分を育ててくれた礼を述べ、礼を尽くして、母から受け継いだ短刀に死花の毒を塗って、スイレンの首筋を裂く。

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    2014/02/18 12:06

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