荒野の家 公演情報 水素74%「荒野の家」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★

    不条理と非常識
    不条理劇ってキャラクターが共感を呼ばないものなのだろうか。
    これは「自分を省みない人々」の話である。
    登場人物に共感するのが難しく、距離を感じずにはいられなかった。
    この作品では個々の人物の置かれた状況が極めてリアルな問題を抱えている。
    状況設定が超リアルなだけに、不条理より“非常識”が先立ってしまって
    会話に不快感が残ったというのが正直なところ。
    水素74%は2回目だけど、これが不条理というものかしら…。



    ネタバレBOX

    30歳で20年間ひきこもりの真也(玉田真也)は、
    自分の言うことを聞いてくれない母親(高木珠里)に
    カッターナイフを突き付けて脅すような息子だ。
    母親はそれでも息子を溺愛して何をされようと決して離れようとはしない。
    溺愛する息子に対する母親の話し方、声のトーンが異様で目を引く。
    共依存のようないびつさで結びつきながら脅し、懇願し、抱き合う母子。

    父親(永井秀樹)は稼ぐことで責任を果たしていると思って来た結果、蚊帳の外状態。
    両親が兄にかまけていつも放っておかれていた妹(石澤彩美)は、
    結婚相手と子どもを作る気になれず、一時的に出戻って来た。
    おまけに隣家の女性は自分の義理の父親の介護をお願いしたいと押しかけて来る。
    そして父親と妹は、母の留守にひきこもり矯正施設の“登山スクール”へ
    真也を預けようと画策し、ついに家族は崩壊していく…。

    不条理劇って少ししか観たことはないけれど、
    “誰かを待ち続ける”とか“誰かが死ななくてはならない”といった
    のっけから理不尽な世界に、ちょっと変だが
    どこか自分と重なる登場人物が出て来て共感し連帯感が生まれ、
    思うようにならないシチュエーションが面白くなる…と思っていた。

    役者さんは熱演だったけれど
    やはりこのタイプのお芝居は私には難しい…(^_^;)

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    2014/02/08 23:23

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