4時間だって耐久できるトーク
ボロボロ アパート一室の会話である。しかし、まるでトーク番組出演者のような一体感、笑いの方法だった。
単なる内輪の会話ではなく、5人それぞれに「役割」が用意されており、舞台の大部分を占めるだけの「面白さ」がある。
ここ最近、若い作家の書いた脚本は、若い世代しかない感性へ訴えかける傾向をもつ。それが、昔流の表現でいえば「ナウい」わけだ。中年世代からすると違和感かもしれない。
本作はシチュエーションコメディという枠組みながら、若い世代限定「ナウい」を連発した。そこに、一種のトーク番組が登場してしまうことは、決して無関係ではないはずだ。
上演中、主人公・唐沢(山下 征志)が、幾度となく液晶テレビを視聴する。その顔を座敷童たち が「幸せそうだ」といいながら、実は退屈な、非生産的に沈む表情を意図して浮き彫りにする。
彼は、観客と同じ立場だろう。
「観る」ことには変わりない。
ところが、その虚しい日常を、「見えない客観性」である座敷童たちに意見させたところが、メディアをえぐる演出効果を感じる。
劇場空間で「観る」「笑う」特権性を観客側へ問う、卓越した窓だろう。