異邦人 公演情報 東京演劇集団風「異邦人」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    迫力ある舞台だ
     「異邦人」(原作:カミュ)=不条理という言葉を思い浮かべる。その不条理とは…。
     本公演は、ほぼ原作通りに作られており、有名な台詞「今日、ママンが死んだ」から始まった。二部構成になっており、第一部は主人公ムルソーが殺人を犯すまで、第二部では犯行に対する審判の様子。そして、これも有名な「太陽のせい」という動機が描かれる。
     ところで、なぜ今「異邦人」なのか? 時代の閉塞感、危機感に立ち向かうということか…。本公演を観るにあたり、十数年振りに窪田啓作訳を読み返した。小説は自分のペースで読める。難解な、というか自分なりに考えたいときには、いったん本をおくことができる。だが、芝居だと観客の納得度に関係なく、一気に見せる。特に第二部は、意味深な場面や台詞が多く、見逃せない、聞き逃せない。それだけ緊張感を味わえるが。
     東京演劇集団風は、カミュ生誕100年記念に上演したとのこと。役者陣は初演時(2012年)と同メンバーらしいが、稽古期間は約2週間と聞いた。それであれだけの演技が…すばらしい。
     しかし、自分なりに納得感を得るには、演技がすばらしく、テンポ良く展開しすぎるだけに、”テーマ”について行けたか不安もある(自分だけかも知れないが)。
     冗談ではないが、不条理を謳った公演で、観客が不満を感じないか少し心配になった。
     なお、誤解がないように書き込むが、公演は素晴らしい。

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    2014/01/23 19:28

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