櫻ふぶき日本の心中 公演情報 椿組「櫻ふぶき日本の心中」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    男と女のおとしまえ
     エンターテインメントとしても楽しめる舞台である。然し、実に様々な要素が織り込まれているので、観る者の関心によって様々な観方が可能な作品である。

    ネタバレBOX

     平時に、男は女を守るだろう。だが、非常の際、オトシマエをつけるのは女である。殊に日本の非常時、男の責任の取り方は死ぬことだけのように思われる。このことが、尚の事、人間としての全体について深く考えることを阻害しているのだ。
     江戸時代、心中御法度の時代から敗戦闇市の時代を経て60年代安保、70年代沖縄闘争翌年辺り迄の状況に弄ばれる男女の心中を連綿たる横糸として通し、男女の対応に絡む時の流れ、擬制を縦糸として、男、女それぞれの時代に対するオトシマエ、互いに対するオトシマエとその有効性について、また対応の差異の要因と差異差による発展性について考えさせる舞台である。
     舞台美術では相変わらず冴えた加藤 ちかの、手際が目立つ。舞台上に描かれた桜とも薄赤い花の絨毯ともとれるような、心に沁み入る文様が印象的であるばかりではない。見事な展開が用意されているから期待して観るべし。
     また、原始共産性に於ける共有・共同は何処迄許容できるかについてや、その際、何を具体的に共有・共同の実体として纏まるのか? といった本質的問題が提起されていることも重要である。未だに残る地域もあると言われる若衆宿の伝統的習慣などにも、この発想は連綿と息づいているわけだし、イデオロギー的にも解決されていない本質的問題の一つである。
     更に、闘いの絶えないヒトの歴史に於いて、暴力以外にヒトを纏める力についての考察への非常に示唆的な対応が、女性の持つ融通性や非戦闘的調整能力としても提起されていることが重要である。

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    2014/01/16 16:26

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