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スーホの白い馬みたいに。
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公演情報
劇団しようよ「
スーホの白い馬みたいに。
」の観てきた!クチコミとコメント
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ハンダラ(10487)
満足度
★★★★
千年の都
京の伝統と現在。
ネタバレBOX
犬、ピーチの死に目に会えなかった少女は、ピーチが焼かれ、埋葬された後にも、中学校を抜けだして犬を探しまわる振りをする。それは、単に彼女が、犬の死を受け入れたくないという幼児性のためなのだが、兎に角、彼女はこの奇矯な行動を繰り返すことによって、界隈では噂の塵邸住人、コラピスおじさん(公園に出向いては子供相手に紙芝居を打ちコーラとカルピスの混ざったような色の液体を振るまってくれる所からついた仇名)の邸に入り込むことにもなった。結果、誰にも知られることのなかったおじさんの暮らしを知る。その生活とは、とうの昔に亡くなった奥さんの遺体と共に、暮らしている姿であった。
一方、恋愛感情に走ると、完全に我を失い、嫉妬に狂って浮気をした相手を殺しかねない母を持つ少女は、故郷を離れ、都市に出た後、ストリートミュージシャン、たかしに恋心を抱く。が、その後ルームをシェアしたあかねと彼は恋仲になる。彼が2人の住む部屋を訊ねると約束していた日、到着が随分遅れ、あかねは不在であった。彼はあかねと結婚するつもりであることを女に告げる。その為に、音楽も止めるとも。
これを知った彼女は、母親と同じように、好きな男を襲う。結果、たかしは失踪、行方は杳として知れぬ。26歳になっていた彼女は、その後行方を晦まし、実家玄関まで辿りつくが、恐らく其処で自殺を図った。
ところで、コラピスおじさんの塵邸は火災で焼けてしまったのだが、この家、塵の臭気、虫、風による飛散等々で近所中の迷惑であった。この為、放火されてもおかしくない状況はあったのだが、火事のあった日、偶々、近くの河原で大学生達が、酒を飲み、花火をしていた。その為、火が引火したのではないかと疑われた。つまはじき者のことが問題になったのは、コラピスおじさんを地域住民として認め、復帰させようとしていた人が居たからである。
然し、出火原因は異なった。近くの中学で生徒会長をしている誠がパシリに使っている石原が、体育祭に使う横断幕のデザインを申しつけられたが、焼け跡の灰から生まれ出るフェニックスを描く為に、大きな炎を実見しないと描けなかった為、放火したことが示唆されるのである。
これらの物語が、殺人を犯す少女の話をメインに展開するのだが、同一の役者が何役かをこなしフラッシュバックの仕方が多少ランダムで、而もサブストリームは、中学生の話を中心に展開しながら、こちらも同一の役者があちこちにフラッシュバックしながら、様々な時を行き来するので、フラッシュバックの構造を見切るのに若干苦労を要する。が、話自体はかなり面白く、如何にも京都の学生らしいたゆたいを感じさせる。
というのもミュージシャンが生演奏をしている一角を除いて、3方が客席になっているので、真ん中が演技スペースになるのだが、その中央に据えられた洗濯機は、少女が呪われた血を浄化する象徴でもある。彼女は、一度、汚れた血を浄化する為に、漂白剤を飲んで自殺を図ったことがある。そのような汚れと浄化を中心に置いて、周囲では、始まりと終わりに同じ歌詞の歌で手踊りが踊られ、それは恰も地域のルーティンと化した行事のように舞われるのだ。(ルーティンを表す意味で途中、何度かこの手踊りは挿入されている)
これら日本の踊りのパターンである手踊りを伝統的ルーティンとしつつ、特権階級である学生が漂うように暮らしている雰囲気が、如何にも京都の学生生活らしいのである。
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2014/01/13 17:54
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