『どこか遠くへ行く日』 たくさんの御来場ありがとうございました!!! 次回は4月中旬★ 公演情報 シアターノーチラス「『どこか遠くへ行く日』 たくさんの御来場ありがとうございました!!! 次回は4月中旬★」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    詩的・知的作品群
     ヒトは、その実存に於いて必ず宙吊りである。過去と未来の間に、あちらとそちらの間に、そして彼らとあなた達の間に。この日常の陥穽のような状態こそが、実存の裸形に近い。だから、ヒトは、通常それを見て、見ぬふりをしている。

    ネタバレBOX

     そのようなヒトの在り様を三編の小品でオムニバス形式に描いた作品群だが、その詩的感性、人間存在の本質を、手堅く、自然に提出する手際の良さが光る。更に日常とはいえ、其々、層の異なる、例えてみれば位相数学を詩に代入したような明晰さと、抑えられてはいるが知性の煌めきが、作品に適度な緊張感とそれゆえのバランスを保たせている。
     また、三編とも短編である為、話の展開の仕方が頗る重要になるわけだが、その辺りの構成力も抜群なのは言う迄もない。一編一編の内部でもそうなのだが、全体の構成も良く考えられている。本当にありきたりに見えるシチュエイションで始まる第一話、サスペンス要素の強くなる第二話、そして社会の最小単位と通常考えられる家族の中に起こるトラウマの深刻さを抉る第三話。人称で言うと、一話は二人称の物語、二話は三人称の物語、そして三話は一人称の物語で、演劇を観に来る観客の日常に近い所から入り、昼間働く生活に対応した二話が続き、次に家族という単位で、己を振り返る構造になっているのだ。
     見事である。そして、これら三編の其々に、矢張り適確な小物やイマージュが、宙吊りの登場人物達の振り子の支点のような作用を及ぼしている点も見逃すわけにはゆくまい。
     これだけの要素を巧みで知的な演出と気の利いた音響、抑え気味で効果的な照明、矢張り、会場のサイズに合わせて抑えた丁寧な科白回しと演技とで、ひたひたと観る者に迫る舞台であった。

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    2013/12/10 14:51

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  • ハンダラ様、御来場まことにありがとうございました!!!そしてコメントありがとうございます!不手際ありまして大変失礼致しました。ですが、観に来ていただけて本当に嬉しかったです。また是非今後とも、シアターノーチラスをよろしくお願いします。

    2013/12/10 22:13

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