ショッキングなほど煮えたぎれ美しく×アイロニーの夜 公演情報 KAKUTA「ショッキングなほど煮えたぎれ美しく×アイロニーの夜」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    「ショッキングなほど煮えたぎれ美しく」を観劇
    役者さんが良かった。
    成清正紀さんが特に良かった。
    竜史さん、桑原裕子さん、異儀田夏葉さんもよかった。

    正直、物語には不満が残ったが、演出は面白い部分が多々あった。

    ロックバンド「フリサト」とのコラボは、想像以上の化学反応は起きていなかったが、期待を裏切ってもいない。
    やはりロックバンドの生演奏には力があった。

    ネタバレBOX

    正直に言えば、この舞台から、この点がとびぬけて凄いというものは感じなかった。
    ただ、随所に面白い部分はあった。

    一番印象的だったのは、ラストシーンの手前、
    飛山甚平(成清正紀)と飛山平(竜史)が向き合うシーン。
    竜史さんも良かったが、それ以上に成清正紀さんの演技が素晴らしかった。
    甥(もしかしたら息子かもしれない)飛山平(竜史)に色々責められ、それを黙って受け止めている飛山甚平(成清正紀)の姿。その姿だけですべてを語っていたと思う。

    このシーンが素晴らしかっただけに、その後の物語展開がとても不満に思えてしまった。せっかく2人が向き合いはじめたのに、その後、単にお互いが鬱屈したエネルギーを爆発させて、物語は終わってしまう。
    それも、タイトルとパンフに書かれた「ごあいさつ」を読めば(それにロックバンドとのコラボということを考えれば)、だいたい予想がつく終わり方。

    煙に巻かれたような気分だった。それも、予定調和によって。
    どうせ予定調和なら、もっともっとぶっ壊してほしかった。

    また、そのラストも、ヘッドフォンの差し込みを外して、ラジカセ本体から音が出るまさにその瞬間にロックバンドが生演奏で爆音を出すというのが、お約束だろうという場面で、その瞬間に生演奏が入らず、ラジカセの音が出てから、段階を踏んで生演奏が重なっていった。
    展開は予定調和なのに、なぜここではお約束をやらなかったのか、、、期待していたのに!敢えてズラすことによる効果は感じなかった。単に、合わせるのが難しいから、安全パイをとっただけなのだろうか?
    このお約束が決まっていれば、作品の印象はだいぶ違ったものになっいたと思う。3コードでも感動してしまうパンクロックがあるのと同様に、展開が予想できても、「やっぱロックってこういうもんだよな」「この爆発力と疾走感だよな」と納得できたような気もする。作品のテーマもそこなのだし。

    ロックバンド「フリサト」とのコラボに関しても、想像していた以上でも以下でもなかった。ロックバンドと演劇がコラボしたら、こういう感じだろうなという予想通り。それでも、歌詞がもっと聞き取れれば、コラボしている必然性がより感じられたのだろうが、初日だからか、舞台の音響さんはロックバンドの音圧に不慣れなのか、バンド側の音作りの問題か、理由はわからないが、(静かな曲は別として)歌詞がほとんど聞き取れなかった。(最初、音が割れたりもしていた。)とてももったいないと感じた。
    そうは言っても、生ロックバンドの臨場感は充分にあったし、よく融合していたとは思う。

    姫路勝子役:桑原裕子さんの演技はとても面白かった。絶妙だった。
    富永美幸役:異儀田夏葉さんもよかった。

    批判的なことばかり書いてしまったけれど、ラストの前の2人のシーンが本当に素晴らしかったからこそ、もったいないと思い、厳しく書いてしまいました。悪しからず。

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    2013/12/03 01:13

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