東京ノート 公演情報 劇団俳協「東京ノート」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    情況設定に苦労したようだ
     平田 オリザ若書きということもあるのかも知れないが、彼は絵画については余り詳しくないのではないか、と思わせる。

    ネタバレBOX

     フェルメールについての学芸員、串本の説明にしてもカメラオブスキュラなど、フェルメール好きな連中であれば、常識中の常識、一々説明するのは恥ずかしいレベルだろうし、もっと別の角度から説明を加えても良かったとは思う。例えば、球面を持つ物体が部屋の中に置いてある点など。また、写真も絵画も三次元を二次元に移行する方法であるという指摘なども高校生レベルの話だろう。オリザ自身絵画に造詣が深くないと告白しているような陳腐な科白が続く。というのも、ラストシーンでは、絵を描く姉、秋山 由美がアーティストとして一流であれば、感動的なシーンになるはずなのだが、二、三流だということが明らかなので、しんみり、分かったような表現になっていることに不自然さを覚えるからだ。感動を敢えてさせないという作劇法としてはあざとかろう。
     串本の科白で光るのが、レンズの説明と関連した科白で遠くから己を観る必要性を指摘している点である。日本人のガラパゴス的性格を射抜いて心地よい。
     物語は、美術館の休憩場所で進展する。ヨーロッパで戦争が起こり、日本は、特需で潤っているばかりでなく、欧州の美術館が戦災を逃れる目的で日本の美術館に収蔵作品を預けるという状況である。こんな時代の流れの中で、日本人自身、国際的な戦争監視団に参加する者、あくまで戦争そのものに反対し続ける者などとの間に齟齬が、生じているのも事実である。
     だが、遠く木霊のように、ガラパゴス日本に戦争のイメージを持ち込むのは良いが、インテリジェンスの問題を無視しているようには思う。日本の現状を多少なりとも冷静に見るならば、完全にアメリカの植民地でしかないのであり、それ故にこそ、安倍、石破、管等と竹中 平蔵などの国賊が跋扈するのである。その程度の分析力は欲しいものだ。それなしに、国内で演劇ヘゲモニーを握ろうとするならば、オリザの考えは、矢張り、未だ隙があると言わねばなるまい。

     (追記2013.12.4)

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    2013/12/01 11:31

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  • ハンダラ様

    この度はご来場いただき、ありがとうございました。
    橋爪役をやっておりました、滝野洋平と申します。
    どこか1つでも印象に残る科白があったのであれば、
    それが良い意味であればなおのこと、演者にとっては嬉しいです。
    またの機会がありましたら、ご来場お待ちしております。

    2013/12/03 02:54

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