ギョーザ丸、出港す 公演情報 トリコロールケーキ「ギョーザ丸、出港す」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    化けることができるか否かこれからの努力次第
     表層的なギャグをパロディ化するようなギャグの連発で、余りの馬鹿馬鹿しさに、あっけらかんと突き抜けた感じがしないでもないが、もう一つの評価は、安易、である。

    ネタバレBOX

     作・演出家も若いようだし、役者達も若い。5回目の公演のようだが、本公演ばかりなのか番外も入っているのか分からないから、余り先走った将来予測をするつもりはないが、化けるかも知れない、と思った箇所が、中盤に1か所と終盤にあったので、意識的にこれを演じたなら注目してみたいのだ。
     意識的にというのは“Waiting for Godot”をパロディー化したなら、実に面白く読み取れるのだ。演技が、学芸会+でも、ギャグが、TVレベルの低劣なもののパロディーでも、世間智が感じられなくても、古典や近代・近世に関する知的広がりを感じられなくても、意識的にゴドーを待ちながらをパロったのであれば、そのセンス、ネグレクトした対象の正確さ、パロディーとしての痛烈などは、驚嘆に値するものであった。
     然し、現実は異なるようだ。であれば、上記の如く、演劇の基礎の基礎が出来ていない。特に、主役をやった女の子の演技は酷い。キャスティングミスである。芸の無い子に主役を振るなど以ての外。役者達には、間の取り方、科白を身体に落とし込む為の諸訓練を望む。作については、乾いた視座を評価するが、ギリシャ、ローマの古典、日本の能、歌舞伎、中国、韓国の古典、民衆芸。シェイクスピア、モリエール、近代以降では、イプセン、チェーホフを始めとして、ベケットやイヨネスコの不条理劇、サルトル以降の社会性を強く反映した哲学的内容を含む現代劇、パレスチナ・イスラエルの政治を反映したような社会劇、無論、ブレヒトなどの流れも研究する必要があろう。更に、アルトーの残酷演劇の流れや、これら総ての影響を受けて発展してきた日本の演劇についても深い勉強が必要だ。これらを為して尚潰されないパロディーをこそ、期待する。因みに、今作では、シナリオ3.8 演出2.7 演技。役者にもよるが、1.3~2.3でまあ、すれすれ星3つにしておく。

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    2013/11/28 02:05

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