満足度★★★★
演舞場作品としては合格だと思う
これが、もし、新国立劇場とかでの上演作品なら、緩さが大失点になるのではと思うベタさがありましたが、演舞場で、幕間35分ある芝居では、これで及第点だと思いました。
山田洋次監督の演出舞台は、「東京物語」に次いでこれが2作目だと思うのですが、心配された程、演劇を度外視した演出ではありませんでした。
そんな筈もないのに、勘三郎さんが、張の役を演じたのを観た記憶があるかのように、勘九郎さんがお父様を彷彿とさせる名演でした。
檀さんは、美しく清楚で、歌声も可憐。私の心の中で、双壁スタンスの俳優、馬木也さんと壮太郎さんの共演も、個人的に大変嬉しく、その上、馬木也さんのコメディ部門担当演技が絶品でした。
今井翼さんの台詞は時として、聴きとりにくい部分もありましたが、あの事務所の中では、大変引き出しの多い俳優さんで、第二の川崎麻世さん的な存在感がありました。
他にも、広岡さん、有薗さん、木場さん等、様々なジャンルの役者さんの集合体の舞台にも関わらず、お互いの演技に不協和音が出ず、チームワークの良さを感じました。
山田監督が、スタンディングの拍手に感激され、幾分涙声になっていらしたのは、新鮮な驚きでした。
満映の理事長役の木場さんのご両親は、満州からの引揚げ者だったそうで、両親にも見せたかったとのしんみり発言に、ちょっと貰い泣きしそうになりました。
中国人と、日本人が、お互いの映画愛で、簡単に理解し合えてしまう設定には、ややストーリーのベタさを感じなくもないのですが、娯楽舞台なのですから、これはこれで、上出来ではと感じました。
ただ、最後のシーンは、幾ら何でもやや引っ張り過ぎ。ソ連が攻めて来るかもと、緊迫した状況の別れ方には、とても思えず、最後で、やや白けてしまった印象は拭えませんでした。
2013/12/28 01:44
2013/12/27 13:19
2013/12/27 13:07
2013/12/26 01:57
2013/12/25 12:05
2013/12/19 22:08
2013/12/19 16:51
そうでしたね。帝劇は、しばらく休館していたし、東京宝塚劇場も、今のように立派ではなく、今のように、劇場も多くはありませんでしたから、商業演劇は、あちこちで上演していましたね。
あの当時は、私は、劇場からのご招待券で観劇していましたから、席はだいたい同じで、あまり後方や2階席で観る機会はなかったのですが、あーいう系統の芝居は、2階や3階で観ると、どう感じただろうかと思うことがあります。
きゃるさんと同じで、この芝居の間中、そういう劇場向きなお芝居だなと、懐かしさがありました。
どうも、クリエの機構は好きになれず、未だに、父と、芸術座やコマ劇場で観劇している夢をよく観るんですよ。