SPACE一休 公演情報 カプセル兵団「SPACE一休」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    3.12人災と秘密保護法成立への嘘 喝
     カプセル兵団が、2000年に旗揚げ公演をした時のシナリオが、今作の原典だという。13年の時を経て若書きでは書けなかった、登場人物達の内面の葛藤や、登場人物の各々が、今、そのように行動している原因や背景を掘り下げることを科し、実践して来た演劇経験を演出に活かして作り上げた作品だ。殺陣がスピーディーでパフォーマーとのコラボレーションも良く観て美しいと感じる。

    ネタバレBOX

     また、宇宙を流離う物語の原イマージュを、恐らく「西遊記」に負っているであろうことも、シリアスに捉えればかなりシリアスな内容でもあり、3.12批判でもあり得る重さを軽減している。金角、銀角と悟空の戦いが、間の抜けた金角の失敗で頓挫し結局は、魔物の敗北で終わるシーンは、その為に入れてあるのだろう。
     但し秘密保護法で隠すことが間違いないF1人災被害詳細や、核関連施設関連問題を喩という形にしてはいるが、それとわかる形で表現していることは、重要である。そもそも、一休が贖罪の旅に出たのは、彼が破戒した魔光が、各惑星に落下、その地に住む者を汚染して、多くの者の命を奪い、生き残った者は何らかの疾患を持つ感染者となるか、魔物となってしまったことへのオトシマエであった。(この喩が、核を表象しているのは、誰が見ても明らかだろう。放射性核種の発する高エネルギーによって、生き物が死んだり、DNAを破戒されたり傷つけられたりして、生き残っても疾患を患い、或いは、突然変異を起こした体組織によって、怪物と言われるような異様な様に変化させられてしまうことを示しているのであるが、一休が、己の責任、と認めている通り、無論、人災である)然し、一休の戦いは、己の非を悟ったことにより戦いの為の戦いに疑問を生じさせ、帝国指令義光の下、人を滅ぼそうと戦い続けていることへの対抗勢力という目を持ってゆく。終には義光、一休、互いの哲学の相違、互いのレゾンデートルを賭けての戦いになる。片や、戦争マシーンとして片や仏法の最前衛主体として。一方、エンターテインメントとして楽しめる舞台になっているのも事実。

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    2013/11/22 16:12

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