満足度★★
並外れた努力によって実現した公演。
書きたいことが見つからない小説家・ミズホシと、第五福竜丸という船にラブレターを書き続けた女・火見子を中心に、ゴミ溜めに集まる奇妙な人々のそれぞれの妄想のような世界が繰り広げられます。
登場人物はみな雄弁ですが、対話ではなくずっと独白し続けているようでした。意味や設定が、次から次へと上書きされるように変わってしまうのが非常に残念。役者さんの演技はセリフ同様に一方通行な人が多く、あまり引き込まれず。選曲がつぎはぎな印象でした。しかるべき時にしかるべき音・音楽を鳴らす覚悟が欲しいです。
夢の島公園にテント劇場を建てて、かつての夢の島を舞台にしたお芝居を上演するという企画は、抜群のインパクトでした。劇団メンバーは主宰・作・演出の清末浩平さんと、プロデューサー・俳優の森澤友一朗さんのお2人のみだそうです。多くの方の協力を得て公演が実現したのでしょう。お2人の人徳と並外れた努力がそれを可能にしたのだと思います。アングラ演劇界の層の厚さも実感しました。
開演前に第五福竜丸展示館に行けてとても良かったです。貴重な機会をいただきました。また、展示館を見た人と見ていない人では感想が全然違うのではないかと思います。
開演前に体調が思わしくないことを伝えたところ、とても親切に対応してくださいました。ありがとうございました。