ルドルフ 公演情報 東宝「ルドルフ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    宮本亜門に何があったか?
    お気に入りの役者、新納慎也が久々の帝劇出演ってことで、
    「どない??」とばかりに見てきました。
    従来苦手だと思ってきた宮本亜門演出作品。
    でも、どうも今年は勝手が違う…
    何があったんや?宮本亜門。やっと演出センスが付いてきたか?

    ネタバレBOX

    本人のブログで新納慎也という怪優を、たった出番10分しか使っていない
    というのを知って、「所詮亜門演出やもんな…期待する方が馬鹿か」と
    思ってました。
    そう。わたしは宮本亜門演出作品がどうも肌に合わなかったんです。
    厚みがなくて表面的な楽しさとリリカルさばっかでさ。深みのない演出ばっかで
    妙に安っぽくて、わたしの中で「宮本亜門は名前ばっかで実の伴わないヘボ演出家」というレッテルが完成していました。

    それが…先月見た『トゥーランドット』で「悔しいけど面白かった…」と思わされ
    そして今日、『ルドルフ』でもぐっと来てしまいました。
    どうしたんや、亜門。
    やれば出来るやん、亜門。
    …と言う感じ。

    ただやっぱり、新納慎也が生かし切れていない気はする。
    まぁ、浦井健治に不満は全くないけど、あの魔術師の役を新納に欲しかったなぁ…彼でも見たい気がしました。
    エドワードも良かったけど…プレイボーイというよりも、世間知らずのおぼっちゃまに見えたかな。
    後半につれて周囲から問題視されても貫こうとするルドルフとマリーの恋を
    実際彼らを出会わせたエドワードはどんな風に見ていたのか…
    揺れ動く国家情勢も見つつ彼の目がどんな風にとらえたのか…
    言葉には出さなくても、シーンとしては描かれなくても
    パーティの場でエドワードを立たせておくだけで、
    新納慎也はそれを考えた無言の芝居をやってのけただろうに…
    全体の演出はよかったけど、やっぱり宮本亜門は役者を使いきれない演出家ということか。

    さて、ニイロ贔屓なお話はこれくらいにして。客観的な話。
    主演の井上芳雄はこれで2種類のルドルフ皇太子を演じたわけで。
    ルドルフ俳優ですね。(笑)
    見るたびに成長している感のある彼。まだ伸びるか?と言う感じですけど。
    ただ、彼の歌声は相変わらずめちゃめちゃ上手いしよく響いて素晴らしいんだけど
    相変わらず堅くてわたしはどうも苦手。
    愛しい歌詞も、優しいメロディーも、彼が声を張って歌うと怒ってるみたいに聞こえてしまって…
    彼の歌にもう少しまろやかさが出たら、ファンになるんだけどなぁ…
    という感じですね。
    で、もう一人ものすごくものすごく、ものすごーく気になったのが
    魔術師、浦井健治。前から何をさせてもかなりの高レベルを演じてくれる
    若いながら信頼している役者さんです。
    縁あって、彼のデビュー(仮面ライダーのラスボス)から見ていた彼。
    ほんっと、成長したなぁ…ってか化けまくったね。
    こんな役までこなすようになったとは。
    今回は緩急自在な演技で、うたも素晴らしくてすっごいよかったです。
    って、最初浦井君ってわかんなかったんです。
    顔全体にペインティングをして髪も緑で、あまりに彼のイメージとかけ離れていたから。
    歌もあんなに上手かったかな??本当にびっくりでした。
    曲もいいし、ストーリーも見ごたえもあれば他のキャストも誰一人不足のある人もいなくて、
    これはかなり素晴らしいと思いました。

    あ、いい意味での不満としては…知念里奈ですか。
    ルドルフの正妻ステファニー。
    わたしは知念里奈は本田美奈子の後を継げる実力を持つ女優だと思うのですが、
    ステファニーなりにルドルフを本当に愛しているというのが切々と伝わる曲が欲しかったです。
    きっと、彼女も王室の中でたった一人気を張って生きていて、
    本当はルドルフに弱みを見せたかっただろうにそれも出来なくて
    いっぱいいっぱいだったんだと思うんですよね。
    その孤独とか弱さも見たかった。

    なんか観てきた興奮のままに書きなぐってしまいましたが、
    本当に見ごたえのある秀作でした。
    大阪にも来ないかなぁ~…

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    2008/05/31 18:08

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