Clash 公演情報 東京パノラマシアター「Clash」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    コンテンポラリーダンスが素晴らしい
     ダンスと映像に演劇的コントを嵌め込むというような形式で表現されるエンターテイメント。キャストは、ダンサー、元宝塚男役、キャラメルボックスの女優など様々なジャンルから構成される。自分は今公演が初見だが、ダンスをメインにした作品との印象を持った。それだけにダンサー達の切れの良い動き、身体表現のレベルの高さのみならず、前後左右及び後ろへ倒れ込むような危険な表現を含む緊張感のある振付にも感心した。ダンサーの鍛錬も無論のことだが、振付・演出は舞台監督が担っているのだろうか? コンテンポラリーダンスの要領を良く心得、バランス感覚に富んだ作品に仕上げている。

    ネタバレBOX

     ダンス、映像、演劇コントは絡み合って全体を構成しているが、主軸はダンスと観た。演劇的コントに関しては、約90分にE=mc2(e=x)と相対性理論(mc二乗と読む場合)の物理に対して化学とされる今作リーフレットに書かれた概念を導入して、恰も数式化したとでもいうブラフを用いているのではないか? つまり、ここで相対性理論を持ちだしていると解釈するならば、エネルギー=xとなるので、何の意味も無い。或いは、mc二乗ではなくmc2ということか? いくら何でもあざとい。だからクラッシュなのだ、という論理を準備しているのだろうか? だとすれば、詭弁である。
     エンターテイメントとして、現代日本で最も受けるというデータから導き出したのでもあろう。そのような論理で藤沢 周平を持ってくるあざとさにも閉口する。
     演劇的な部分に関してこのようなことを言うのは、物理学と化学を持ちだし無理に等号で結んだ上で、物語性のあるエンターテインメントの代表として藤沢 周平作品の「山桜」を嵌め込む点である。このあざとさは、コマーシャリズムの論理として分からなくはないが、アートではない。少なくとも、この部分の責任者は、知的に全力を出していない。観客のレベルを己の詭弁を見抜けないと措定して、それに合わせるような姿勢を採っているのだ。こんな詭弁抜きに、資金が在る時には、全力で冒険にチャレンジして欲しい。これだけのものが作れるのだ。その力は充分にあるだろう。

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    2013/09/22 05:12

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