hedge 公演情報 風琴工房「hedge」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    経済もので感動させられるとは!!
    経済を描いた作品で感動させられるとは思ってもみなかった。こんな貴重な体験をさせて貰ったことに感謝しよう。シナリオ、演出、演技の素晴らしいことは無論だが、舞台美術、エッジの効いた音響、市場の緊迫感すら感じさせる照明も見事である。
     専門的な用語も多く、門外漢には分かりにくいジャンルをユーモアを交えた巧みな演出と、シナリオでフォローしている点でも好感を持った。
     扱われているのは、数あるファンドの一つ、バイアウトファンド(投資先の株式を取得後、経営にも関与する形で業績を上げ、企業再生を遂げた後転売して利潤を得、投資者にその利益を分配するタイプのファンド)投資先が上場企業であればTOB(株式公開買い付け)が必要になる。その際、利潤拡大の手法としてレバレッジ(梃子のことだが、麻雀などでいうウマと同じで、これを掛けるとその倍率に応じて利潤もリスクも拡大する)を掛けることもある。但し、リスクも大きくなるので、リスクヘッジを同時に掛けておかなければ危険である。(追記2013.9.30)

    ネタバレBOX

     金融商品を扱うことで、市場規模を拡大してきたアメリカの投資会社で初のパートナーとなった人物、矢張りコンサルティング会社で活躍して来た人物3人が集まって日本でも金融商品を取り扱う新会社を創設した。時恰も、バブル崩壊の兆し始めた頃である。大手証券会社が倒産、銀行の護送船団方式が崩れ、新たな金融システムが模索された時代と言っても良い。
     然し、日本の慣習に馴染まない方式やシステムの違いも大きい。その狭間で生じてくる様々な問題を嘗て、メガバンクで活躍して来た銀行マン、リサーチ、分析の天才等々が、再生させるべき企業を物色し、実際、企業をケアし、再生して行く過程を描く。
     無論、この間、外資のハゲタカファンドによって日本企業はズタズタにされ、良いように税金はむしり取られ、この「国」は、長い不況に突入したわけである。そんな、庶民の持っている金融不信をも射程に入れつつ、分かり易く、リアリティーのある、而も楽しめる舞台に仕上がっている。

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    2013/09/18 11:58

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