満足度★★★★
【甘口感想】居たわ、こういうヤツ。
作・演出の喜安浩平さんの役者としての顔がかなり好きで、
そのかたの脚本というかそのかたのカラーに浸かりたくて、
会社を休んで観にいってしまいました。
さて、この作品…賛否両論ではありますね。
…が、初めてのブル観劇ということで、個人的には甘辛両方の感想があるんですけど
取敢えずこの劇団自体の製作コンセプトを見ると
"「グロテスクな日常に、ささやかなおかしみを」をテーマに、不安、悪意、狂気といった現代の人間が抱える様々な生き苦しさを描きつつも、その生き苦しさ故に発生してしまう、ささやかな"おかしみ"に着目した舞台作品を作り続けています。" (劇団紹介文より)
とのことでしたので、それ基準での見方をしてみましょう。
グロテスクな日常の中のおかしみ という観点からすれば、非常によく出来た作品で、成功している舞台だと思います。
共学の高校が舞台の作品ですが、登場人物一人ひとりが、妙に記憶にある。
「あ~、こういうヤツうちの学校にもいたなぁ…」って感じをヒシヒシと感じるわけです。
そういう、記憶の中のあいつが舞台上の出演者とラップすることで
ちょっとした「自分も作品のその舞台世界の中に居る傍観者」といった感覚で楽しめたと思う。
人生いろいろ負けかかってる僕らのイッパイイッパイを
人生いろいろ楽に勝ってるアイツらの軽い思い付きが、ことごとくブチ壊していく…
そんな作品を、肩の力を抜いてニヤニヤ笑って観たい人には、とても適した作品だと思います。
学生時代のクラスメイトにソックリなあいつが、きっとそこに居ます。