花と魚(第17回劇作家協会新人戯曲賞受賞作品) 公演情報 十七戦地「花と魚(第17回劇作家協会新人戯曲賞受賞作品)」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    素晴らしい
    原発事故のことを扱っている訳ではないが、
    原発事故後に様々な情報に振り回され、その情報を元に2次・3次的に暴力が拡散していったこの国の様と芝居の内容が重なって見えた。

    素晴らしかった。

    役者さんたちの演技も、皆、素晴らしかった。

    本当に力のある劇団なのだと思う。

    <内容について、後日、追記するかも>

    ネタバレBOX

    2011年7月に初演されたものなので、そのような社会状況と重ねて描いた作品なのだろう。初演時を私は観ていないが、おそらく作り手も観客も、渦中でこの作品を作り、観ていたはずだ。

    2013年9月に再演されたこの作品では、(作り手の意志はわからないが、)観客の私には、当時情報に振り回され、様々な暴力に晒されると共に、加担もしていた自分自身の姿をそこに重ね合わせながら観た。


    私が「十七戦地」を観るのは二回目。
    前作『獣のための倫理学』を観て、そのあまりに高い完成度に衝撃を受けた。ただ、ひとつだけ不満に思っていたのは、物語が完成し過ぎているという点だった。脚本・演出の柳井 祥緒氏の構成能力の高さが、逆に、物語をきれいにまとめ過ぎているのではないかと思った。
    だが、この『花と魚』では、物語としての完成度も充分にあるものの、どこかきれいには収まりきれていない質感があった。それは、物語化しきれない(しえない)現実と格闘したからこそ生まれたもののように感じる。この質感こそ、私が前作に足りないと感じていた点だったのだ。
    完成度においては、前作の方が高いと思うが、
    作品が観客に問いかけてくるもの、その強さ、複雑さにおいては、こちらの作品の方が遥かに強い、多様であると感じる。
    前作の完成度で、この問いかけや複雑さを有した作品ができたら、とんでもないことになると思った。次回作が楽しみでならない。

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    2013/09/13 23:21

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