女王の魂 公演情報 劇団EOE「女王の魂」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    う~ん
    芝居に命をかけている者が、作家は脚本・演出で、役者は演技で、
    プロレスに命をかけるという物語に自分たちを重ね合わせて作った舞台なのだろう。

    熱量が凄かったので、その気持ちはとてもよく伝わってきた。

    ただ、早口過ぎて台詞が聞こえなかったり、
    芝居よりも、単にエネルギーを放出する方に気がいっているという感じもした。
    脚本なども「ご都合主義」が気になってしまった、、、

    ただ、若いエネルギーは感じた。
    奥野友美役:佐々木紬さんの初々しい演技がよかった。

    ネタバレBOX

    「ご都合主義」が気になったと言っても、プロット上のことではなく、設定の面。
    この作者にとって命をかけるという設定が使えれば、必ずしもプロレスじゃなくてもよかったのではないかということがずっと引っかかって観ていた。
    というのは、プロレスへの愛情があまり感じられなかったからだ。

    と言っても、私はプロレスについてはほとんど知識がないので、勘違いかなtも思っていたが、コリッチメンバーの「オヤジ♪」さんの「観てきた!」を読むと、私が感じていたことはあながち間違っていなかったのではないかと思える。

    私が感じた部分は3点。

    1つは、プロレスラーを「バカ」と呼んだこと。
    勿論、この「バカ」には二重の意味が込められていて、<演劇バカ>同様に、<プロレスバカ>という、自嘲的というか、肯定的なニュアンスの使われ方もしている。
    だが、同時に、ボクシングでいうパンチドランカーのような意味でもバカという使われ方もしている。こちらの使い方は、プロレスラーに敬意があったらできないのではないかと思った。

    2つめは、「オヤジ♪」さんが細かく指摘しているが、プロレスシーンが極めて陳腐なこと。そこはしっかり描かないと、命をかけているということが証明されない。もしくは、そういう部分を見せたいんじゃないとするなら、実際の格闘シーンは全部削るべきだったと思う。

    3つめは、衣装。2と重なるのだが、実際のプロレスシーンで、衣装はプロレスのリング衣装ではなかったこと。台詞の中で、「女子プロレスラーは、水着のようなかっこうで人前に立って、、、、命をかけて、、、」というような台詞もあるのに、プロレスの衣装ではなく演じているのを見てしまうと、「言っていることと違う、、、」と思ってしまった。
    勿論、プロレスの衣装にすることで、変なエロのニュアンスが出て、本筋から意識がそれるのを避けようとしたということはありえると思うが、エロのニュアンスが出ることで損なわれるものと、きちんとしたリングの上での体をむき出しにした格闘を見せないことで損なわれるものとを天秤にかけた場合、後者で損なわれるものの方が遥かに大きい。
    「命をかけている」ということの説得力が全く違ってしまう。
    役者自身が、恥じらいも捨てて演じるというドキュメント性と、プロレスに命をかける物語がそこでシンクロする部分もあるのだから。

    また、若年性アルツハイマーで入院している母親が、病院で、主人公にオムツを替えられる際に、自分のうんこを投げつけるという設定にも、首をかしげた。病院に入院している場合、オムツは一般的には看護師(介護士)が替えるんじゃないだろうか。家ならわかるが。それに、うんこを投げるというのもちょっと引っかかるのだが、あり得ないとは言いきれないので、その点はいいとしても、それをやる際は、完全に錯乱状態になっている時で、理性のない時のはずだが、その破壊的な行動こそ母の闘いだというような台詞が出てきたのも気になった。意志がある闘いと意志がない闘いでは、意味が違うような気がする。そして、その部分の一連の台詞の中で、母への愛情があったら言わないようなニュアンスの台詞があったような気がした。(細かく覚えていないので、この点は勘違いかもしれないが、、、)

    総じて、物語を語るために、都合よくエピソードが組み立てられているという印象。

    プロレスや、アルツハイマーの母を出さずとも、
    自分たちが命をかけているということを描くのならば、
    そのまま「芝居に命をかけているという芝居」をやった方がリアリティがあったのではないか。

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    2013/09/09 01:02

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  • たんげ五ぜんさま

    お早う御座います。
    劇団EOE制作部の佐藤望です。
    お忙しい中、書き込み頂きまして、有難う御座います。

    お口に合わなくて残念です。
    頂いたご意見をもとに、今後はご満足いただけるよう
    劇団員一同、更に精進させて頂きますので、ご期待下さいませ。

    2013/09/09 09:55

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