『MOJITO』『想像』(ご来場ありがとうございました。御感想お待ちしています!) 公演情報 BARHOPPER × MU「『MOJITO』『想像』(ご来場ありがとうございました。御感想お待ちしています!)」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    ルバイヤート
     約50分と45分の朗読作品を10分の休憩を挟んで上演。Mojitoでは、写真の展示やイメージフィルムの同時上映があれば、リーフレットの説明に近いイメージで観ることができたのではないかと思う。ひょっとしたら、写真くらいは、どこかに貼ってあったのかも知れないが、気付かなかった。
     想像については、ネタバレ参照のこと。

    ネタバレBOX

    Mojitoモヒートと読む。ラムベースのカクテル。ミント、蜂蜜、ライムにソーダを加えて作る。ヘミングウェイが愛したことでも知られる。キューバはハバナが発祥の地。
     7年前、一度だけデートした克弥と葉奈。その時は、其々の恋人がいた。それで、二人が羽を伸ばせる江の島でデートしたのである。二人はそこでMojitoを飲んだ。ハバナ生まれの爽やかなカクテルは、葉奈にとって最も爽やかで忘れ難いデートの象徴になった。
    だが、その後、2人が合うことは絶えてなく7年が過ぎた。と、突然、克弥の実家に彼女からの手紙が届いた。メルアドが記してあったので、彼は、メールを出した。互いにメールを交わし合うようになったが、克弥には、7年前とは別の彼女があり、結婚する予定であるが、メールのやり取りは、彼女からもOKが出ていた。然し、葉奈からは、本当は、彼女は許していない、との反論が返ってきた。というのも、7年前のデートの後、克弥の彼女だった女から嫌がらせメールが何度も届いたのだという。こんな具合にメル友同士のダイアローグが、現在の其々の仕事や異性関係を肴に展開してゆく。つまり中心はあくまでメル友2人という形で。終盤、克弥は、結婚を約していたが二股を掛けていた彼女と別れ、仕事も止めて葉奈との再デートに選んだ江の島水族館、海月の水槽前に土曜14時、待ち合わせに出掛けてゆくのである。
     二人の話の内容は、誰もが共通に持っているようなありきたりの話ではある。自分に似た誰かの話として苦笑する向きもあろう。ただ、このシナリオの上手さは、そんな話を肴にメル友2人の関係がいつの間にか中心になり、それが、矢張り、我々に似た誰かの話なので、思わず引き込まれ乍ら耳を傾けてしまう点にあろう。
    想像
     双子の姉弟の話である。2人は、双子故か異様なまでのシンクロがあり、父母の離婚のきっかけになったほどである。学校に通っていた頃には、テストを受けると点数が同じ、間違う個所迄同じだったのでカンニングを疑われクラス替えをされたほどであった。同級生のからかいの対象になり、不登校の引き籠りをするようになると、姉弟でセックスをしているのだろう、とからかわれたが、姉弟には墓場まで持ってゆかねばならない事情が確かにあったのだ。その後、姉は勘当されて現在に至っているが、勘当の原因は、姉の夫が、セクシュアルな漫画を描く漫画家であり、父が、そのような男との結婚を認めなかったからである。現在、父は、階段から落ちて右足を骨折し療養中であるが、姉の家の犬も交通事故に遭って右足を骨折、現在は3本足で歩いている。姉弟はここにも双子のシンクロを見てしまう。
    何はともあれ、現在、弟は付き合っている女があり、それは、彼のファンなのだが、子持ちのバツ一で、その時、基本的に弟は勃起しないのである。勃起するのは、姉との事を思い出す時だけである。
    こんな話が、こちらは、電話を用いたダイアローグとして展開してゆく。
     どちらの作品も、リーフレットでは、朗読以外の写真のことや、言い訳がましい理屈が多すぎる。実際、上演する部分で勝負して貰いたい。そうでないと客寄せの為のノウハウとして戦略・戦術的に策を弄しているのか、と勘繰ってしまう。
    “想像”の作家は、純粋(ピュアネスという言葉を使っているが)とかいうのであれば、その辺りも直球をベースに変化させるべきであろう。こういう遣り方は、寧ろ、えげつなさを感じる。

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    2013/08/28 02:46

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