満足度★★★
大人が下司
シナリオは積み木ほどに単純で1x0の2進法を示唆し、不思議の国のアリスのモチーフを安易に引用してつじつまを合わせながら、ITバブル当時、ベンチャー企業の一大集結地であった渋谷のスクランブル交差点とその地下を舞台として設定する。公演会場は、この交差点から200m程の地点に立つビルの6階である。このように現実とバーチャルを組み合わせ、IT技術を駆使して、8800人の応募者から選ばれた平均年齢15歳の10人の少女のパフォーマンスと歌の未熟さをカヴァーしながら行われる。気持ち悪いのは、いい大人が、これに、連なって手を振ったり、叩いたりしている光景である。
資本主義の最も先鋭的な形を表すスターシステムに子供達を組み込んで良いように使い捨てる。代わりはいくらでもいる、というスタンスだ。このスタンスが醜悪である。戦前、現在の電通の前身が何をやっていたか忘れたのか? 完全に体質は戦前のそれである。ちったあ、日本の文化に貢献したらどうか? その質を落とすことにではなく。