「天使ちゃん(仮)」 公演情報 望創族「「天使ちゃん(仮)」」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    義理、度量、情け
     天使長の次男、ブラッドは、消滅の危機に立たされている。天国へ導いてやるべき魂を一度も導けた験が無かったからである。そこで、天使長は宿題を出す。死期が近い人間の願いを聞きそれが、実現できるように手助けすることだ。但し、天使としての力は使えない。失敗すれば消滅である。父は、水面に人界が映し出される井戸を覘かせ、手助けすべき人間を示し出発を命じた。

    ネタバレBOX

     着いたのは、轟一座の興行小屋だ。貧乏一座で、いつ潰れるか分からないような芸人一座ではあるが、二代目座長は、女とはいえ情に厚く気風の良い姉御である。ブラッドは、座長から多くのことを学ぶが、殊にそれ迄の仕事では失敗を恐れるあまり、只、魂を導くことだけを考えて、実際の魂に寄り添うことが無かった点に気付き、また失敗したら、他の自分にできることを精一杯やれば良いということを学ぶ。
     作品成巧の最大の理由が、芝居小屋を物語展開の場にしたことだろう。言う迄もなく芝居は人生の縮図だ。そして芝居小屋は人生が展開する舞台だ。
    ブラッドがそこで学んだこと。それは仁義と情け、成巧と失敗の中で情を通じ人の念を実現してゆく術。これらを学ぶことよって己が気付かずに築いていた壁を超えた。その時、彼は己の役割を自覚し、関係の中で立ち位置を決めて動くことができた。座長役の啖呵の切れが良い。やや、プリミティブな作りだが、そのことが逆に、義理や人情の生きていた時代を彷彿とさせ、舞台の持つ力を示してみせた。
     サブプロットとの噛み合わせも悪くない。

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    2013/07/24 04:15

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  • きよさんへ
     土臭いことが、逆に力強さになっているような舞台でした。
    演劇というものの、不思議な力を改めて感じました。浪花節的な
    人生観のプラス要素と共に、温かすぎる人間関係は、時にうざったく、
    時に、本当に身に沁みて有り難いものだと思います。劇中、描かれて
    いたように、演劇で食って行くことは並大抵のことではありませんが、
    時代の底に流れるものと、表層の煌めきを上手に綾織にして、きちんと
    紡いで参りましょう。24日が楽日でしたね。皆々さまの益々のご発展と
    ご健勝を祈ります。
                                     ハンダラ 拝

    2013/07/25 02:27

    ハンダラ様

    ご観劇、コメント頂きまして誠にありがとうございます。

    今後より一層楽しいめる芝居を提供していきます。
    ぜひ劇団望創族を宜しくお願い致します。



    2013/07/24 16:59

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