満足度★★★★★
重さと明るさ
水俣病を扱った新作で、テーマは確かに重い。重いものを重く書くのはたやすいだろうし、今は評価が確定してる問題を今の評価で書くこともたやすいだろう。脚本に定評のあるこの劇団、そんな安易でないドラマが観られるだろうと期待しての観劇だが、やはり、良い芝居だった。
各1時間ほどの2話構成。第1話は、作品中では年代は明らかにされないが1956年のチッソの会議室。第2話は現代で、胎児性水俣病患者を中心とした授産所「みかんの家」。52年を経ても、水俣病が今に繋がる問題として、未来に続いていくことを、希望を持って描いた作品になっている。 舞台から与えられているものを自分がしっかりと受け止めているかどうかは、自信が持てない、そんな気にもなったりする。