サスペンスオムニバス 公演情報 PureMarry「サスペンスオムニバス」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    夏にふさわしいミステリー
    アガサ・クリスティーがラジオドラマ用に書き下ろし、タイプ原稿しか残っていない初の舞台化作品だそうで、ラジオドラマ風のお芝居でした。

    オムニバスでそれぞれ全く独立した作品で、共通の登場人物も出てこないので、一部を除き、俳優は二作で複数の役を演じる。二作ともアガサらしく「鉄道」が絡む。

    夏にふさわしいミステリー。

    外国人演出家だが、場面転換などMODEと似た雰囲気を感じた。

    原作に忠実に上演するのが今回の主眼のようだが、さらに舞台らしい脚色がなされてもいいかなと思える。

    ネタバレBOX

    第一部「最後のディナー」

    タイトルにふさわしく、絵画「最後の晩餐」に似た絵面を群衆でつくる場面を挟むなどの趣向がある。

    プレイボーイの敏腕訴訟代理人ルーク(加納竜)が、謎の美女(多岐川裕美)の計略にかかり・・・

    多岐川の妖艶な美しさが恐ろしい。



    第二部「フェイからの電話」

    新婚パーティーの最中にかかってきた電話。

    いたずら電話にしては、夫ジェームス(竜小太郎)のおびえ方が尋常ではない。

    新妻パム(夕貴まお)が問い詰めると、亡くなったはずの前妻フェイがかけてきてるという。

    前妻は目を離したすきにめまいを起こし、ホームから転落死したのだと打ち明ける。

    妻の提案でその駅に二人が行ってみると、現れたのは亡き妻の母親で娘と瓜二つの老婦人(多岐川)。娘は夫にホームから突き落とされ殺されたと言い、しかし、老婦人はパムに「旅行してはいけない」と忠告したのは自分ではないと言う。

    では娘のフェイが?・・・という怪談めいたオチがつく。

    多岐川は電話場面の娘と、ラストの老婦人をくっきり演じ分けた。

    心霊現象の話題が出てくるが、「成仏してない」という形容は日本人にはわかりやすい翻訳だが、外国物だけに違和感があった。

    竜小太郎は大衆演劇のスターで、ポケットに手を入れて気取って見せるポーズなどが板についておらず、所作が不自然なのが気になった。

    竜は以前に比べ、小太りになり、小柄なので、宝塚男役出身の長身の夕貴と並ぶと身長差もあり、

    「カッコよくて素敵な旦那様」という女友達の称賛がピンとこない。

    夕貴は、ふだん時代劇出演が多いが、宝塚で洋物経験があるので、むしろ、翻訳もののほうが似合う。

    物語としては、二番目のほうが起伏があり、面白かった。


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    2013/07/05 14:34

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