サスペンスオムニバス 公演情報 サスペンスオムニバス」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.5
1-2件 / 2件中
  • 満足度★★★

    夏にふさわしいミステリー
    アガサ・クリスティーがラジオドラマ用に書き下ろし、タイプ原稿しか残っていない初の舞台化作品だそうで、ラジオドラマ風のお芝居でした。

    オムニバスでそれぞれ全く独立した作品で、共通の登場人物も出てこないので、一部を除き、俳優は二作で複数の役を演じる。二作ともアガサらしく「鉄道」が絡む。

    夏にふさわしいミステリー。

    外国人演出家だが、場面転換などMODEと似た雰囲気を感じた。

    原作に忠実に上演するのが今回の主眼のようだが、さらに舞台らしい脚色がなされてもいいかなと思える。

    ネタバレBOX

    第一部「最後のディナー」

    タイトルにふさわしく、絵画「最後の晩餐」に似た絵面を群衆でつくる場面を挟むなどの趣向がある。

    プレイボーイの敏腕訴訟代理人ルーク(加納竜)が、謎の美女(多岐川裕美)の計略にかかり・・・

    多岐川の妖艶な美しさが恐ろしい。



    第二部「フェイからの電話」

    新婚パーティーの最中にかかってきた電話。

    いたずら電話にしては、夫ジェームス(竜小太郎)のおびえ方が尋常ではない。

    新妻パム(夕貴まお)が問い詰めると、亡くなったはずの前妻フェイがかけてきてるという。

    前妻は目を離したすきにめまいを起こし、ホームから転落死したのだと打ち明ける。

    妻の提案でその駅に二人が行ってみると、現れたのは亡き妻の母親で娘と瓜二つの老婦人(多岐川)。娘は夫にホームから突き落とされ殺されたと言い、しかし、老婦人はパムに「旅行してはいけない」と忠告したのは自分ではないと言う。

    では娘のフェイが?・・・という怪談めいたオチがつく。

    多岐川は電話場面の娘と、ラストの老婦人をくっきり演じ分けた。

    心霊現象の話題が出てくるが、「成仏してない」という形容は日本人にはわかりやすい翻訳だが、外国物だけに違和感があった。

    竜小太郎は大衆演劇のスターで、ポケットに手を入れて気取って見せるポーズなどが板についておらず、所作が不自然なのが気になった。

    竜は以前に比べ、小太りになり、小柄なので、宝塚男役出身の長身の夕貴と並ぶと身長差もあり、

    「カッコよくて素敵な旦那様」という女友達の称賛がピンとこない。

    夕貴は、ふだん時代劇出演が多いが、宝塚で洋物経験があるので、むしろ、翻訳もののほうが似合う。

    物語としては、二番目のほうが起伏があり、面白かった。


  • 満足度★★★★

    ちょっと古めかしいですが
    アガサクリスティーらしさは堪能できました
    しっかし高齢者の多い観客層でした→ヒロインのせいかなぁ(^^)

    (50分×2本+20分休憩)

    ネタバレBOX

    えーほんとにザックリ話のオチばらしますので、
    知りたい人だけ読むようにしてくださいねー。

    最後のディナーは、ルークのであった新しい浮気相手が、先のブロンド美女連続殺人犯の妻であり。ほんとはその美女達殺したのも妻であったと。油断してコーヒーに一服盛られたルークは、「君主にふさわしい皿に盛られたバター」という旧約聖書の中の一節である原題のように=Jael(ヤエル)がSisera(シセラ)の頭をカナヅチと釘で殺すというエピソード=そのままに真犯人である女が金槌と釘を手に近づいていって・・暗転→終劇です。
    そのディナーシーンをキリストの最期の晩餐風に多人数で演出して見せてくれました。面白かった。

    フェイからの電話は、じつはジェームス氏は妻となった女性を事故と見せかけて殺していた殺人犯で。警察が前回死亡した先の妻の母に娘を装って電話をかけさせてボロを出すのを待っていた・・というオチ。おびえた氏は先の妻同様に駅のホームから転落し死亡します。が、どうやら先の妻は霊となって実母に乗り移り今の妻となったパムを助けてくれたらしいとわかります。

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