がんばれ美香子「なにそのタイトルやめてよ」 公演情報 製作委員会「がんばれ美香子「なにそのタイトルやめてよ」」の観てきた!クチコミとコメント

  • 裏切る舞台、嫌いですか?





    裏切る舞台は、嫌いですか?



    これは、単なるコント短篇集ではない。

    登場する人物に何かしらの悲劇性があり、男と女、生き方、科学といった、極めて重要なテーマと向き合っているからである。


    一話目は、外国人住民やホスト風の役人のキャラクターが 群を抜いて 笑えた。いわば、典型的なコントといえる。

    しかし、2話目以降、徐々に重要なテーマに傾斜した。
    オムニバス形式を取らない舞台構成ではあるものの、短篇のコントを繋ぎ合わせただけではなく、一つの物語として完成された料理を提供している。

    製作委員会は、デート観劇を勧める宣伝をした。なら、一度くらいは激アツアツな場面があってしかるべきだったと思う。場面がなかった理由を考えると、答えは第三話目に記してあった。
    つまり、マイクやカメラ(=科学)に拾われない、その“人間の部分”は これからも不変であり続ける、ということだ。それを強調したかった。
    意味は、舞台を観劇した者にしか解らないない。



    作品の内容がコントだったので、ネタバレに漫才のネタを書いてみました。


    ネタバレBOX




    「この前、無性に名作映画を鑑賞したくなってよー。近所にTSUTAYAがないから困ったぜ」

    「まあね。誰でも、急に映画を観たくなる時って、ありますよね。
    カフェで懐かしの映画音楽が流れてたり、街中で映画ポスターが貼られてたりしてね」

    「だろ?俺も、近所のオジさんと口論中に、無性に名作映画を観たくなってよ」

    「原因知らないけど、お前にとって大切なのは目の前にある口論の方っ!んで、一体なんの映画を鑑賞したくなったんですか?」

    「『タイタニック』‥」

    「シチュエーションからして場違いにも程があるだろ!」


    「オジさんが前のめりになった時、ディカプリオに錯覚して、例のポーズ‥やっちゃった‥」

    「近所で 、オッサン2人が何してんだ!」

    「古田新太似なんだぜ!」


    「余計、嫌だわ!」


    「でっ、近所からだいぶ離れるけど、“思い立ったらすぐ ”ということで深夜営業のTSUTAYAを探しに行ったわけよ」

    「まあ、でもTSUTAYAといえば、大抵の街には店舗があるから、意外に10分、20分で行けたでしょ」


    「俺、足立区在住だけどよ、中目黒のTSUTAYA本社まで結構、掛かったぜ」

    「本社までかよっ!もっと 途中にTSUTAYAたくさん あっただろうに」


    「乗せてくれた運転手にサンキュー言って、ペダルから降りたらさ、人っこ一人いないんだわ。いや、マジで」


    「あっ、自転車の二人乗りで来ちゃったのね!?よく、深夜に乗せてくれる人がいるな〜、しかもサドルに」


    「もちろん、それだけだと申し訳ないから、ラーメンは食べたよ」


    「出前中のラーメン屋の店員を困らせるな!元々、注文した客にラーメン返せや」


    「とんこつ味だったんだぜ!」


    「醤油ベースだと変わるか。逆に24時間出前サービスするラーメン屋があったことが東京の新名物の可能性だけどよ」

    「で、TSUTAYA本社にDVD借りるスペースがないし、仕方ないからゲオに行くことを決めた」


    「いいじゃん。名作映画のDVD借りれば思う存分、鑑賞できるじゃん。『タイタニック』なら旧作な上に、品揃えも豊富だろ」


    「いや、なかなか 『タイタニック』を発見することができなくてさ。店員に聞いたの、『タイタニック』ありますか?って。それでも、当店にはないと」

    「話聞いてると、ちょっとお店について詳しくない店員じゃないの?」


    「だから、ビシッと言ってやりましたよ!「『タイタニック』がないなんて、ブルマ履いた松居一代ですよ」と」


    「ちょっと、解らないな‥」


    「続けて、『いいか よく聞け。あの映画は興収歴代2位だぞ。その作品がないなんて、異常なんだよ、はっくしょい、ちくしょい』」

    「おっ」


    「隣の酔っ払ったサラリーマンに」


    「本人に言え!」


    「次は真っ正面見て、言ってやりましたよ」


    「おっ、今度こそ」


    「景気はどうですか?」


    「話をはぐらかし過ぎだろ」


    「そうしたら、向こうが前のめりになって、俺としても『タイタニック』のポーズをするしか他ないだろ」


    「オッサンとの そのパターン、いい加減にしろよな!」


    「オッサンじゃねえよ!70歳超えた、おじいさんだよ」


    「尚更、いい加減にしろよ!」


    「浅丘ルリ子似なんだぜ!」


    「“レンタルビデオ屋のパールライン”かっ!浅丘ルリ子さん似の おじいさんなら、かなり複雑な展開だわ」

    「おいっ、“レンタルビデオ屋のパールライン”って、意味が分からんぞ」


    「だから、浅丘ルリ子さんは、デビュー当時、あまりの美幌から“銀幕のパールライン”って呼ばれていたわけ。その呼び方に掛けて、“レンタルビデオ屋のパールライン”を‥って、なんでいちいち説明しなくちゃいけないんだ」

    「知らない人が ほとんどじゃね。
    でも、まあ ‥面白いぜ!」

    「もう、頼むから掘り返さないでくれ。畑で苦労するモグラの気持ちを 今 理解したわ。俺のことはいい、続けて」

    「いやあ~、おじいさん は『タイタニック』のポーズだけは無理だと、拒絶するわけだよー」

    「ほう」


    「ダチョウ倶楽部までは、やってくれたのにっ」

    「あっ、一緒のポーズ自体は既に やっちゃったのね」

    「『グー!!』」

    「一文字を間違えるなよ。『ヤー!!』だろ、どうでもいい話ではあるけど」

    「『タイタニック』のDVDが陳列棚にない理由を問いただすと、店員のおじいさん 激昂してよー。凄い睨み付けてきて、‥口元が近付いたら“あれ”してさ♡」

    「深夜のゲオで、ダチョウ倶楽部を持ち出すな。上島竜兵も 帽子 投げつけるぞ」

    「むっ、‥帽子を投げたいのは、こっちだよ。『理由を教えろよ!さもないと、今夜のこと ばあさんにささやくぞ』と、言ってやりました。
    メールで。プンプンマーク付けて」


    「いつの間にメール交換してんだ!猫ひろしがカンボジア国籍取得した頃の感覚だわ」


    「返信メールには、こう書いてあった。“当店は一般のコンビニエンスで、ございますので、DVD類の品揃えは少なくなっております。お客様におかれましては何卒、ご了承ください”」

    「まだ、ゲオに行く途中だったのかあ!もう、いいよ」














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    2013/06/01 23:41

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  • 観てきたコメント誠にありがとうございましたm(__)m
    素敵なコピーも添えてくださいまして痛み入ります。
    何回も繰り返し読ませて頂きました。今後共宜しくお願い致します。
    (ネタバレの中身には驚きました!笑)

    2013/06/05 07:38

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