仏の顔も三度までと言いますが、それはあくまで仏の場合ですので 公演情報 ポップンマッシュルームチキン野郎「仏の顔も三度までと言いますが、それはあくまで仏の場合ですので」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    劇場に入る前にトイレ行っといた方がいいよ~
     サービス精神たっぷりのPMC(勝手に「ポップンマッシュチキン野郎」を略)だが、今回は、ちょっと趣向が変わって、一度、着席したら席を立ちたくないような前説をやっているから、こうご期待!

    ネタバレBOX

      オープニングに骨壷が二つ並べてあって、其々がライトアップされている。エンディングにも、同じ骨壷が矢張り同じようにライトアップされる。
     内容的にはコテコテの世話物なのだが、PMCが演じるとドライで而もポップ。如何にも時代を映す鏡の如き作品となる。では、何故、自分が、この作品を世話物と呼ぶか、と言うと、而も態々、コテコテという修飾語までつけて。内容的に、親・子、兄弟、夫婦、愛人、宗教、信心、習慣、自己と他者等々が所狭しと描かれ、否、本質的にそれ以外は描かれていないからである。言い換えれば人情、義理即ち社会的ルール等々がぎっしり鏤められているからである。
     伝統的概念で代表させるとなれば、義理と人情なのだが、PMCのユニークな点は、これらに対する加工である。この加工の仕方に幾つかの要素を入れているわけだが、一つに、アイロニカルでシニックなパロディー、一つに時代性、三番目にこの「国」の特殊性である。これらを実に巧みにバランスさせる所にこの劇団の上手さが見られる。
     内容説明は、公演中なのでしない。但し、オープニング、エンディングで仲良く並んで提示される骨壷の意味する所は、実に意味深長である。表面上は、対立し合った兄弟の遺骨なのだが、仲良く並ぶ姿をライトアップして見せることによって、この世からあの世へ渡った後も、劇中で描かれたように、誠に因縁浅からぬ後世(ごせ)を送るであろうことが、了解されるからである。また、数多く登場する妖怪たち、“中東事変”メンバーの化粧、イスラム、仏教、キリスト教など異なる宗教の作品世界へ同居などは、共同体と外界、その辺縁を表して示唆的であり、而もその境界領域に於いては様々な揺れが確認できること、その振幅次第で状況は大いに変わり得ることを示した。異質な者達の共働は、多少歪みというスパイスを効かせながらも、より広く更に開かれた共同体の存立を暗示して象徴的である。

    1

    2013/05/28 12:00

    0

    0

  • 「観てきた」コメント、本当にありがとうございました。
    頂きましたコメント、真摯に受け取り、今後の参考にさせていただきます。
    今後とも、ポップンマッシュルームチキン野郎をどうぞ宜しくお願い致します。

    また、これからもロビーでお話する機会があれば嬉しいです!

    ポップンマッシュルームチキン野郎主宰・吹原幸太

    2013/06/05 23:02

このページのQRコードです。

拡大