満足度★★★★
ミュージカル『アニー』を観た。
ミュージカル『アニー』を観た。
これほど有名で,これほど子どもたちが好きなミュージカルはないだろう。一番の見どころは,犬のサンデーの演技かもしれない。主役のアニーを射止めた子どもが悩むのは,この犬のサンデーとしっかり友達になれるかどうか,という。映画版では,サンデーは,アニーの食べ物を盗んだり,アニーに怒られて戻したり忙しい。さらに,名場面は,自分の犬であるなら,名をつげ,その名で浮浪犬を呼び寄せなさいという警官とのシーンだろう。
アニーには,アニーが,二週間だけあずかられた富豪の歓迎で,ブロードウェイにつれていってもらうところがあって,これが意外と楽しい。かんじんのアニーは,観客席ごと舞台そでに消えていく。そこで始まるのが,タップダンスである。タップダンスというものは,私はそんなにすごいものだと思っていなかった。見る機会がないわけではないが,『アニー』ショーはもの凄い。
さて,このミュージカルもよくある,希望のないおじさんと,かわいい少女の接近である。たとえば,レ・ミゼラブルの主人公も孤児コゼットをあずかるし,赤毛のアンでも,マシューは,妻はいるがアンに夢中になり慰められる。一番,おそろしいのは,オペラ座の怪人で,育てた少女を完全に束縛しようとする。さがせば,結構多いのかもしれない。
これも,たった一度しか観ていないので,いろいろな発見ができていない。しかし,『アニー』という作品は,毎年メンバーを総入れ替えして,実に見事に公演を継続している珍しい例らしい。過去には,何度かスポンサーそのものが丸ごとかわってしまうという。それでも,筋もしっかりとして,一気に楽しめる。何をおいても,ものごとを楽天的に考えて,乗り越えようという思想である。