くおんの空 公演情報 劇団グスタフ「くおんの空」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    まじめな作り
     知覧特攻基地に満州から配属された朝倉少尉以下5名の搭乗機はオシャカ寸前、整備兵からも頗る評判が悪い。修理しようにもエンジン自体に相当ガタの来ている代物なのである。「一緒に散ろう」と誓った他の満州帰りも、機体の不良で合流できないまま、出撃の日を待っている状態である。人倫に篤く隊員からの信望もある少尉の計らいで、整備班も最大の努力はしてくれるのだが、いかんせん、整備がまともにできないような機体では、沖縄どころか、奄美までも飛べるかおづか危ぶまれるのである。更に、整備不良で帰還したとなれば、精神的ダメージも大きい。死を前にそんな精神の緊張と弛緩を繰り返さざるを得ない特攻隊員たちの唯一の慰めは、慰問に訪れる女学生たちの微笑みやほのかな恋である。(追記4.28)

    ネタバレBOX

     衣装、髪型、敬礼の仕方、小道具に至るまで、キチンと調べ、リアリティーのあるものになっているが、休憩を挟んで前後半に分かれた舞台の前半は、余りに真面目に、史実に忠実に作り過ぎたきらいがある。現代の観客は、ワンタッチで、面白い物、変化の激しい物に移行するのが、普通の生活感覚だろう。だが、荷車を押しているシーンは、坂あり、悪路ありで大変な状況であるにしても、少し、単調に過ぎ、長く演じ過ぎた。演出で、何かハプニングを入れるような工夫が無いと、現代の特に若い世代には、魅力的な場面にならないのではないだろうか。演出の方に、現代の余りにも多様な世界観で苦労している若者達の感性を捉える努力をして頂きたい。所謂、サブカルも含めて、時代を見る必要があるように思う。

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    2013/04/27 12:20

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