満足度★★★★
まじめな作り
知覧特攻基地に満州から配属された朝倉少尉以下5名の搭乗機はオシャカ寸前、整備兵からも頗る評判が悪い。修理しようにもエンジン自体に相当ガタの来ている代物なのである。「一緒に散ろう」と誓った他の満州帰りも、機体の不良で合流できないまま、出撃の日を待っている状態である。人倫に篤く隊員からの信望もある少尉の計らいで、整備班も最大の努力はしてくれるのだが、いかんせん、整備がまともにできないような機体では、沖縄どころか、奄美までも飛べるかおづか危ぶまれるのである。更に、整備不良で帰還したとなれば、精神的ダメージも大きい。死を前にそんな精神の緊張と弛緩を繰り返さざるを得ない特攻隊員たちの唯一の慰めは、慰問に訪れる女学生たちの微笑みやほのかな恋である。(追記4.28)