こい!ここぞというとき!(2012年サンモールスタジオ最優秀演出賞、受賞) 公演情報 ポップンマッシュルームチキン野郎「こい!ここぞというとき!(2012年サンモールスタジオ最優秀演出賞、受賞)」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    脚本と演出のうまさを感じた
    ただし、笑いのツボが違いすぎて笑えるところは少なかったけど。

    作・演の吹原幸太さんは、役者の身体・肉体が好きなんだろう。
    ・・・いや、そういう意味じゃなくて(笑)。

    ネタバレBOX

    作・演の吹原幸太さんさんは、役者の生の肉体と生の声が好きなのではないかと思う。
    もちろん、演出している人たちはそういうところがあるから演劇に携わっているのだろうと思うが、吹原幸太さんには特にそれを感じる。

    つまり、自分の劇団以外ではできないことを、やってみたいという欲求があるのではないだろうか。役者の肉体と声を強く押し出すということをだ。
    自分の劇団と信頼している劇団員だから、アクセルを思いっきり踏み込めるということではないか。

    突然奇声というか大声を張り上げたり、ボンテージや亀甲縛りで、身体を縛り上げ、醜い(失礼・笑)肉体を誇示させる。
    シモネタ系な言葉をわざと言わせてみたりと、Sっぽいように思えるが、実のところ小学生や幼稚園児たちがそうして面白がるように、屈託なくそれを行う。
    したがって、シモネタ系な台詞だったりしても下品にはならないところに踏みとどまっている。そういう塩梅はきちんと理解していて、台詞を書いたり演出をしているという姿が見えてくる。

    こんなこと書いてしまうと身も蓋もないのかもしれないけれど、そういう一線が守られているから、こんなにキャラクターを出し過ぎて、話を広げていっても、きちんと終わることができるのだと思う。
    濃いキャラが満載なのだが、それをフューチャーしたり脇にしたりする演出うまさと、それをわきまえていて、変に悪目立ちしない役者もいいということなのだ。

    これだけそつなくうまくまとめられるのであれば、今回のストーリーでは父と子の話で、子が父をどう許すのかというところが焦点だったと思うので、父のエピソードをもう少し膨らませるとか何かで、「やっぱり自分も父と同じだった(癖に関して)」というだけではない、説得力のあるラストを導き出せたのではないかと思う。そこがもの足りないと言えばもの足りない。

    ポップンマッシュルームチキン野郎は、やりたいことがハッキリとしてい、いつも着地点が情緒が伴い、その振り幅で楽しませてくれる。
    しかし、毎回、そのラストに到達するのが、ややジャンプ力が必要すぎるので、できればもう少し手前から、女装、じゃなくて助走シーンが欲しいと思うのだ。
    そうすれば最強になるのではないかと思う。

    個人的なことなのだが、笑いのポイントは違うようで、あんまり笑えなかった。
    笑ったのは、カレーのくだりぐらいかも。

    それにしても、吹原幸太さんのお父(母)さん役は見事だった。どこかにいそうなおかまのおじさんだった。

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    2013/01/07 05:19

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