地響き立てて嘘をつく 公演情報 ガレキの太鼓「地響き立てて嘘をつく」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    確かに人間賛歌、しかも壮大(的)な
    だけど構成的に、とか、いろいろどうかな、なんて少し思ったり。

    ネタバレBOX

    冒頭に各時代の人々が赤ん坊の話をする。それぞれの時代によって、どう生きられるのか、なんてことだ。

    これで、この舞台の全体像が見えたような気がした。

    つまり、「時代」と「人の命」の関係。

    果たして、そんな感じの演劇が始まった。
    日本の歴史を生きていく一族の長い歴史というか、短い歴史というか、そんな感じ。

    途中から学校の先生のような人が現れて、時代背景などを説明しだす。
    だけど、それはあまり成功しているようには思えなかった。
    何か意図があるのかな、と思っていたけど、特に感じられなかった。
    舞台の上で行われていることが観客に伝わりにくいので「戦国時代は・・」なんて言わせているようにしか見えないのだ。

    そういうことは、観て、台詞を聞けばなんとなくわかるのだから、なくてもよかったと思うし、入れるのならば、観客が想像もつかないようなコメントで、「へぇ」とかぐらいは思わせてほしかった。

    時代は幕末、文明開化ぐらいで終わる。確かに学校で習うと近代史まで到達せず、ここまで来ればいいほうかもしれない。そんなことを思いつつ。残りは、「現代社会」だったかな、そんな文字が出て、文明開化の一種の象徴であろう「エレベーター」のくだりとなる。
    これってどうなの? と。

    現代の日本を描くのであれば、「エレベーター」に驚きつつも、技術を革新し、さらに新しいモノを創り上げていった様子を入れるべきではなかったのだろうか。
    単に原始人のように驚いて、楽しんで、で終わってしまっては、「現代」とは思えないからだ。

    このエレベーターへの構成がどうもぎくしゃくしているように思えた。どうもすっきりしないのだ。
    そこまでは「命」が主人公であったのだが、ここはそうではない。「テクノロジー」と「命」の関係は、冒頭の赤ん坊のくだりととても激しく関係してくるのだろうが、エレベーターのシーンではそれを感じないのだ。それを感じさせるのは大切なことだったように思うのだが。
    テクノロジーにしては、先に述べたような「日本的なイノベーション」が見えないし、命にしてはつながりが見えない。

    それがなんか不満なのだ。

    ガレキの太鼓って、主人公が1人立って物語を進めていくというのではなく、人々がきゃっきゃいいながら形を作っていくという劇団だと思う。
    したがって、今回のテーマはド・ストレートなわけで、もっとどうにかなったような気がするのだ。
    フライヤーのような、「どーん」としたところが太く真ん中にあれば、もっと面白かったのではないかと思うんだけど。ガレキ好きなだけに。

    もちろん、こちらの感性に問題があるのかもしれないのだが。

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    2012/12/17 13:40

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