Knight of the Peach 公演情報 劇団パラノワール(旧Voyantroupe)「Knight of the Peach」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    正邪いっぺんに観たい
    エロ・グロもキャラ設定も面白いが、似たようなシーンが多くてちと長い。
    邪道に2時間10分費やすより、1粒で2度おいしい公演にしたら
    登場人物の魅力がより伝わるような気がする。
    もっとコンパクトにして正道・邪道いっぺんに観たいというのは我儘か?

    ネタバレBOX

    黒っぽい舞台の奥、中央のひときわ高い所は王様が座る場所だ。
    左右から段差の大きい階段で上るようになっている。
    鬼ヶ島に棲む王様と兄君は、供される素行の悪い女ども「桃姫」を食べて生きている。
    王様は「桃」=「お尻」しか食べない。
    この「人を食う」場面を中継する番組があって、世界中に愛好者がいる。
    御前と呼ばれる大財閥の会長は有力スポンサーだ。
    あろうことか、この御前の娘キジが生贄として島に送り込まれてきた。
    この会長と娘の親子関係、桃太郎と父親の世代交代、食われる桃姫たちのプライド、
    裏ビジネス・・・それらを軸にストーリーは展開する。

    出演者の「桃」は確かに魅力的だし(桃太郎の桃も!)、
    「桃姫」たちの衣装も、台詞を言うたびに腹筋の動きが見えて面白い。
    正道バージョンと表裏一体で初めて個々のキャラが立体的に見えるのかもしれないが
    邪道バージョンだけ観たのでは人物像が少し物足りない。
    興味深い桃太郎の親殺しの心理や、桃太郎に食べられる事を選んだキジとの関係、
    桃太郎を助ける従者サモエドの心理等を丁寧に描いたらもっとドラマチックになっただろう。
    番組放送シーンや桃姫折檻シーンを減らしてもそっちが知りたかった。
    ラスト30分、桃姫の一人が舌を切られる場面からメリハリがついて一気に引き込まれた。

    御前役の秋山輝雄さん、でっぷりしたお腹に着物が良く似合って存在感大。
    「これは筋肉だ」という台詞に大いに笑った。
    キジ役の川添美和さん、よく分かる台詞でヤンキー娘らしさ全開。
    父親に中指立てて桃太郎に食われるラストシーンは最高!
    サモエド役の伊藤亜斗武さん、キャラを活かした変化のある台詞が良かった。
    この人にもっと硬軟取り混ぜたキメの台詞を言わせて欲しかった。
    桃太郎ビズラ役の平良和義さん、台詞の少ない役だったが強烈な印象を残す。
    それだけに正道とセットで観て、その行動の裏を知りたくなる。
    同じ人を食う鬼でありながら、父親と兄を退治するに至るプロセスが分かって初めて
    エログロシーンも生きて来ると思う。

    2バージョン方式は流行りかもしれないが
    片方しか観ない客をどこまで満足させるかが、鍵かなと思った。

    0

    2012/12/09 03:36

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大