満足度★★★★
カルナバル
前後半、休憩を挟んで約3時間の舞台だ。前半は、これでもか、というカルナバルのどぎつさや怪しさ、騒々しさを出され、辟易したが、休憩を挟んだ後半は、場転はないものの、カルナバルのどんちゃん騒ぎから、愛の普遍性を問うストーリーテリングものに質的遷移がなされ、前・後半で対比が為されることによって俄然、面白みが増してきた。全般のアットモスフィアが、未だ残っている中でシリアスな話が進行してゆくのが、ある種のアットモスフィアを生み、本来デモニーッシュな傾向を持つカルナバル的キャラクターが途切れなく登場することによって、完全なハッピーエンドに終わるような結末を避け、謂わば、一抹の不安を残すような大人の演出になった。