満足度★★★
怖い。
1950年代当時、アメリカの赤狩りなどを批判するために書かれた
17世紀末に実際に起きたセイラムの魔女裁判の話。
一人の狡猾な少女が、周囲の少女たちを巻き込んでヒステリー状態
が起きる様子を、悪魔の仕業と騒ぎ立てるという愚かな行為は、
大人たちの勝手な利害関係に大きく影響され、どんどん深みにはまっていく…。
その様子は、客観的にみると実に滑稽であり、そうであるがゆえになおさら恐ろしい…。
鈴木杏さんは他の少女と並ぶと、ことさら体格が良く大柄に見えて、少女の繊細さよりも
体格と個性・経験からくる迫力が大きく、少女たちを扇動する様がぎりぎりのオーバーアクト。
粗暴だったが投獄された後は真実と強い意志に目覚める池内博之、
妻エリザベスは病弱だったが獄中では静かで凛とした様子を演じた栗田桃子が見事でした。
裁判官を演じる磯部勉は、まさに厳格な人物、そのもの。